笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

2022-01-01から1年間の記事一覧

Life Wear /今ならチノパンだってはける

人生とは、晴れの日だけでなく、雨の日も、どしゃぶりの日も、寒い日もある。そしてまた、雨の日やどしゃぶりの日や寒い日にだって、晴れの日に負けない美しさがある。どんなに悲しい日にも、明日という希望がある。 「着るもののきほん100」 松浦弥太郎 …

トンボの色鉛筆

写真の構図や配色なんかを勉強しなおそうと、プロの撮った写真の分析をしている。で、そのために、写真をノートに描き写して、構図や配色を研究している。色々な撮り手の写真を分析していると、同じ被写体でも撮り手の考え方によって考え方が全然違うのが面…

日本には転勤族という種族がいる

幼稚園に通っている末っ子のクラスに、転入生がやってきた。 年度途中から転入なんて珍しいな、なんて思っていたら、近所の公園でその子と両親にばったり出会い、子どもが一緒に遊び始めたので、親同士も雑談をした。すると、そちらのお父様はお仕事柄転勤が…

もう吹いていいの?/パンデミック下における管楽器演奏の可否について思うこと

JR三宮駅の南側、以前OPAの建っていたビルの跡地が今、空き地になっている。そのうち何か建てるのだろうけど、今は空き地。その空き地が、キッチンカーやステージのある広場として利用されている。 先だっての休日に駅の近くを歩いていたら、元気のいいサッ…

波のはざまで/第7波はもう来るのか?

第6波は収束しつつある。三月中旬にはマンボウも解除された。三宮に足を運ぶと、人が多いのに驚く。ちょうど年度の変わり目でもあり、学生さんの姿が特に目に付くと感じる。街に活気が戻ってきた。 しかし先だって、日が暮れた後に暇だったので旧居留地のあ…

KOH-I-NOOR 5306/ジェットストリーム化してみた

先だって、コヒノールという文具メーカーの芯ホルダーを衝動買いしてしまった。だってカッコよかったんだもん。無骨な太軸が、手のひらにおさまるショートサイズだっていうところがいい。 芯ホルダーというのは、すごく乱暴な言い方をすると、図太い芯径のシ…

KOH-I-NOOR 5306/5.6mmの芯ホルダーを買ってしまった

コヒノール、それはチェコの文具メーカーだ。 そんな風に書くと、あたかも僕がコヒノールの専門家みたいに見えるけど、僕もコヒノール(コイノア)という会社のことを知ったのはつい最近なんです。はったりかまして、ごめんなさい。 コクヨ製の「鉛筆シャー…

590 & Co./鉛筆シャープのかわりをもとめて

少し前に、コクヨ製「鉛筆シャープ」を買い換えようかと思っている、という記事を書いた。色々悩んだ挙げ句、同じ「鉛筆シャープ」の、消しゴム付きのモデルを買おうかと思っている。まだ買っていないのだけど、しかし、この考えへの着地を決めるまでは随分…

ペン型消しゴム

小学生の娘は、宿題に漢字の書き取りの課題をもらって帰ってくる。その課題をあまり好きではないくせに、先生に乱雑な字を見られるのは嫌らしく、少しでも気に入らないと消しゴムで消して書き直す。すごくイライラしながら。で、消しゴムを雑に使うものだか…

製図用シャープペンシル

高校生の頃、製図用のシャープペンシルを愛用していた。ぺんてる製のグラフ1000という製品だった。今でも一本持っている。近頃は万年筆ばかり使うので出番はほとんどないけれど、たまに使うと書き味が懐かしくて楽しい。 中学生から大学生まで、シャープペン…

僕はコーヒーでいいのか?/片岡義男「珈琲が呼ぶ」を読んでみた

「喫茶店に入って注文するとき、コーヒーでいいよ、と言う奴がいるんです。あちこちにたくさんいますよ。どいつにも、僕は腹が立ちます」 と言って、友人は怒っていた。 「珈琲が呼ぶ」 片岡義男 光文社 片岡義男さんという小説家がいることを知ったのは、僕…

太軸・太芯のシャープペンシルがほしい

コクヨのPS-P101という、太芯のシャープペンシルを使っている。コクヨのホームページでは「鉛筆シャープ」という名称で紹介されているが、普通のシャープペンシルと何が違うかというと、芯の太さがちがう。一般的なシャープペンシルの芯径は0.5mmであるのに…

ペンの滑り止め/パーカーにマニキュアを塗ってみた

スケジュール管理のための手帳に、高校生のころに使っていたパーカーのノック式ボールペンを使っている。パーカーは矢羽根デザインのクリップがかっこよくて気に入っているのだが、無垢のステンレス軸は指先で滑って書きにくいのが欠点だ。なんとかならない…

神戸文化ホール

知り合いのコンサートに誘われて、神戸文化ホールを訪れた。今日は大ホール。昭和中期に建築されたホールによくみられる、木製の反響板をもつホールだ。確か横浜の紅葉坂あたりにあった神奈川県立音楽堂も似たような感じだった。音響のクセも似ているような…

季語「山笑う」に思う/街はいつ笑うのか?

ラジオをかけていたら、春の季語「山笑う」をイメージしたサウンドスケープの放送をしていた。日本の、いくつかの山村で録音された春の音が流れた。なかなか面白い。春の音を録音して番組にしてしまおうという発想も斬新だし、そもそも「山笑ふ」という季語…

マテ茶にジンジャーシロップを入れてみたら美味しかった

先だって作ったジンジャーシロップ、なかなか減らない。とっくに一週間は過ぎた。別に変な匂いもしてこないので、ちびちび舐めて続けているのだけど、いやしかしこれ、いつまで続くんだ? ちょっと、うんざりしている。 何か、毎日おいしく、少しずつ使える…

PayPayとかのはなし。

いつもコーヒー豆を買うコーヒー屋さんと、いつも髪を切ってもらっている美容室がPayPay払いに対応しているので、僕はPayPayのコード決済サービスを利用している。最初は「現金でいいじゃん」と思っていたし、今でもそう思っているけれど、ポイントバックが…

一旦停止

先だって、散歩をしていた時のことである。 近所に、見通しの悪い交差点があって、まあそういう所はどこでも大抵、直行する道のどちらか一方が優先、もう一方が一旦停止になっているのだけど、僕がその時渡ろうとした交差点も、そういうつくりになっている。…

万年筆のコンバータ

万年筆の話題がつづくのは、近頃どうも調子がよくないせい。先月の診察で、腹部の緊張をとるために薬の組み合わせを換えたのだけど、そのときに辞めた薬がどうやら僕の症状に効果を発揮していたらしく、中断していた期間はかなりつらかった。先だっての診察…

極黒

僕は万年筆を使う。万年筆にはインクが必要で、そのインクには染料系のものと顔料系のものがあり、僕は主に染料系を愛用している。しかしひとつだけ、セーラー製の「極黒」というインクだけは、顔料系だ。顔料系インクは扱いが難しい。しばらく前に極黒を入…

官製はがき

先だって撮影のお手伝いをした相手から、お礼に菓子折をいただいた。送り主は依頼者の会社の方。お礼を言いたいのだけど、面識はないし、LINEもメールも知らないしな・・・どうしよう。いただいたお菓子を頬張りながらしばらく考えて、はがきを出すことにした。…

子どもたちにとって”art”は自由か?/「13歳からのアート思考」を読んでみた

VUCAとは「Volatility = 変動」「Uncertainty = 不確実」「Complexity = 複雑」「Ambiguity = 曖昧」の4つの語の頭文字を取った造語で、あらゆる変化の幅も速さも方向もバラバラで、世界の見通しがきかなくなったということを意味しています。 ・・・ 世界が変…

萩原朔太郎

詩は神秘でも象徴でも鬼でもない。詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである。 ・・・ 月に吠えたる犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。疾患する犬の心に、月は青白い幽霊のような不吉の謎である。犬は遠吠えをする。 「萩原朔太…

かつ丼吉兵衛

オーケストラの練習のために、元町にきた。そして昼になった。昼食に何を食べようか。元気の出るものが欲しいな、と思った。オケの練習は、前回の演奏会を体調不良のために降りていたので、久しぶりである。練習の途中でぶっ倒れるようなことがあってはこま…

ジンジャーシロップをつくってみました。

この冬はやけに体が冷える。運動不足だろうなって考えて、できるだけ体を動かす機会をもつようにしているけれど、そうすぐに筋力がもどるわけもなく、相変わらず、冷えの症状がつらい。 もうちょっと手軽に、すぐに体を温める方法はないかと調べてみると、ど…

樋口一葉「たけくらべ」

・・・好いよ、己れは馴れた事だ信さんなんぞは足の裏が柔らかいから跣足で石ごろ道は歩けない、さあ此れを履いてお出で、と揃へて出す親切さ、人には疫病神のように厭はれながらも毛虫眉毛を動かして優しき詞のもれ出るぞおかしき。・・・ 「たけくらべ」 樋口一…

次に星を継ぐものは、もうない。

【ミネルヴァはもはや背景の空と見分けもつかない黒い煙の塊にすぎない。二つの赤点は繋がって、赤道を跨いで長く帯状に伸びている。何百マイルもの長さであろう。もう一つ別の赤い筋が北に向かってどんどん伸びている。ときおりその一部が煙の中で橙色に輝…

瀧山城跡

夏草や兵どもが夢の跡 「おくのほそ道(全)」 松尾芭蕉 角川ソフィア文庫 慢性疲労症候群の症状は、かなり軽くなってきた。無理さえしなければ、たとえ倦怠感を感じた日でも、日常生活に差し支えるほどの辛さはもうない。ただ、やはり疲れが溜まった時には…

ソール・ライター

Right now, somewhere, someone is taking a very fine photograph.”まさに今、どこかで誰かがとてもいい写真を撮っている。” 「永遠のソール・ライター」 小学館 ストリートフォト、というものが、ここ10年ほどの写真のトレンドなのだろうか。数年前、ヴィ…

明石漁港

・・・かたじけなき御座所なれば、ただ寄りゐ給へるに、故院ただおはしまししさまながら、立ち給ひて、「などかく怪しき所にはものするぞ」とて、御手を取りて引き立て給ふ。・・・ 「源氏物語」 紫式部 角川書店(編) 角川ソフィア文庫 特に用事はないのだけど、…