笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

2022-02-17から1日間の記事一覧

明石漁港

・・・かたじけなき御座所なれば、ただ寄りゐ給へるに、故院ただおはしまししさまながら、立ち給ひて、「などかく怪しき所にはものするぞ」とて、御手を取りて引き立て給ふ。・・・ 「源氏物語」 紫式部 角川書店(編) 角川ソフィア文庫 特に用事はないのだけど、…

中原中也

野外は真ッ闇 闇の闇 夜は劫々と更けまする 落下傘奴のノスタルヂアとゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 「中原中也詩集」 新潮文庫 Eテレの子ども向け番組で、中原中也の「サーカス」という詩を歌詞にした歌が流れていた。「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」とい…

ヴィヴィアン・マイヤー

・・・それで僕はそのへんのクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。で、僕がそこで何をするかっていうとさ、誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。・・・ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ…

神戸にも時々は雪が降る

まあ、おちる、おちる、おちる! ゆりかごにでものったように、やさしく風にゆられ、右へ左へ、ひらひらと羽のようにふきながされながら、雪のひとひらは、いつのまにか、いままでついぞ見も知らぬ世界にうかびでていました。 「雪のひとひら」 ポール・ギャ…

森山大道

写真をかじったことのある人なら、森山大道さんを知らぬ者はいないだろう。 かく言う僕も、多少写真をかじり、森山大道さんの作品に触れ、「これはマネできん」とため息をつく一人だ。 森山さんの写真、マネできそうで、マネできない。同じように撮ったつも…

パイロットのブラックインキ

濃厚なクリームの表面のように、しわ一つないつややかな紙上に、ぬらりと黒いシュプールが並びました。美しい、と私は思いました。 「カルメン・ブラック」 関もぐら PayPayと神戸市が提携して、販売・サービス業に対する20%還元を行っている。去年は確か、…

グリーン・マテ茶

こうして旅にでることに決まったのだが、この旅は常に「行き当たりばったり」という大まかな方針に従って続けられることになった。アルベルトの兄弟も集まって、マテ茶を一巡り飲むことで、自分の夢をかなえるまでは諦めないことを二人とも確かに約束したこ…

測量野帳

「イメージ、イメージ、一番大切なのは純粋なイメージ」 と、僕は言った。「イメージやっか、わかるやろ? よし、高原ね、それから、カメラがズーム・ダウンすると、フルートを持つ少年が」「マスガキのカメラ、ズームついとらんぞ」「アダマちょっと黙っと…