笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

トンボの色鉛筆

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 写真の構図や配色なんかを勉強しなおそうと、プロの撮った写真の分析をしている。で、そのために、写真をノートに描き写して、構図や配色を研究している。色々な撮り手の写真を分析していると、同じ被写体でも撮り手の考え方によって考え方が全然違うのが面白い。どんな構図で撮る? ハイライトの飛びはどの範囲で許容する? ハイキーに仕上げるかローキーに仕上げるか?
 アマチュア写真家のためのアドバイス的な本が多数出版されていて、そういうのを読むのも面白い。たくさん読んでいると、多くの写真家が「普通はこう撮るけど、あえてこうすると面白い」みたいなことを書いていて、つまり、オーソドックスな撮り方というのがまずあり、そこからの距離感が個性になるのだと、みんな考えているようだ。なるほどね。そういうわけだから、分析する時は、その写真がオーソドックスな構図や配色からどのくらいハズレているかをとらえるようにしている。「あえて3分割構図の外にモノをおいている」とか、「あえてシャドウのディティールを完全に潰している」とか。そして、オーソドックスからの距離感が一体何を伝えているのかを考える。

 構図はともかく、色の並びを分析するためには、描き写した写真に色を塗らねばならない。手軽に塗れる彩色のための道具・・・やっぱり色鉛筆だ。僕はそう決めた。
 子どもに色鉛筆を買う時に、世の中にはどんな色鉛筆があるのか、色々調べたことがあった。僕自身が小学校でつかっていたような懐かしいものもあれば、ちょっと気軽に買うわけにはいかないような高価な色鉛筆もあって、色鉛筆の世界も中々、奥深い。せっかくだから今まで使ったことのないような、個性的なものを使ってみたい気もしたのだけど、妻が趣味の「大人の塗り絵」に使っていた36色のトンボ製色鉛筆が家にあったので、とりあえず借りて使ってみた。

 あ、懐かしいな、この書き味、この発色。
 芯を紙に擦りつけると、紙面がみるみる鮮やかに染まっていく。そうそう、色鉛筆と言えばコレだよ。
 今でもそうなのかもしれないが、児童用の色鉛筆といえば、12色のトンボか三菱だった。低学年の時はクーピーを使っていたような気がするけど、中学年以上は、色鉛筆。トンボの色鉛筆は、缶のパッケージの黄色もそのままだ。すべてが懐かしい。僕の持っていた色鉛筆がトンボだったか三菱だっかは覚えていない。しかしあの頃は、鉛筆がちびてくると隣の友だちに「ちょっとこの色貸して」なんて具合にまぜこぜで使っていたから、どっちも使っていたことだろう。トンボの色鉛筆、いいな。三菱のも久しぶりに使ってみたくなった。確か、三菱の方が少し手触りが硬く、彩度が低かったように記憶している。反対に言えば、トンボの方が柔らかめ、彩度高め。あいまいだけど、そういう印象がある。

 いいなあ色鉛筆。絵の具に比べて発色がやさしい。でも、筆圧をかけてしっかり塗れば、それなりに濃く発色する。塗っていて楽しい。勉強しているのだということを忘れてしまいそうになる。

 僕が最後に色鉛筆を使ったのは、多分大学生の頃だ。美術系の単位を取る授業で色鉛筆を使う課題があり、「生協で売っている色鉛筆を買ってください」と指定された記憶がある。硬すぎて使いにくかったし、他に使う用事もなかったので、お蔵入りしたままなくしてしまった。廉価なものだったし、仕方がないだろう。ただ、筒のパッケージはコンパクトでよかった。
 色鉛筆、やっぱり欲しいなあ。妻がトンボ、娘がステッドラーのノリスクラブを使っているので、他のものが欲しい。混色した時の発色がきれいなやつがいいな。今度探そう。