笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

日本丸 ターニャの思い出

初代日本丸の後継として、1984年に日本丸Ⅱ世が就航した。日本丸Ⅱ世は帆装艤装設計から制作まで、すべて日本国内で行われた初の大型帆船である。・・・ 「日本丸(2代)」 Wikipediaより 神戸港には時々、実習船の海王丸や日本丸が停泊する。きちんと数えたこと…

コロナビール

原産国:メキシコ原材料:麦芽、ホップ、コーン/ 酸化防止剤(アスコルビン酸)内容量:335mlアルコール分:4.5%賞味期限:瓶ネックに記載 「コロナ・エキストラ」 瓶背面の記載より 妻が、「コロナウィルスとは全然関係ないはずなんだけど、コロナビールの売れ…

石井ダム

山と海に挟まれた神戸の、市街地からすぐ北に建設された治水用の重力式コンクリートダム。目的に「レクリエーション」が初めから組み込まれているめずらしいダムだ。 「ダム2」 萩原雅紀 メディアファクトリー 石井ダムのダムカードの右肩には、誇らしげに…

コロナウィルス④

・・・酔つ払つたり、歌をうたつたり、キネマを見たり、闘つたり、散歩したり、女を可愛がつたり、こんなことはみんな人間のすることなんだ、・・・ 「酔つ払つたり歌つたり」 小熊秀雄詩集より 岩波文庫 子どもができてから、外で飲む機会はほとんどなくなった。…

コロナウィルス③

I saw the best minds of my generation destroyed by madness, starving hysterical naked,dragging themselves through the negro streets at dawn looking for an angry fix,angelheaded hipstars burning for the ancient heavenly connection to the st…

ポーアイしおさい公園

どれだけの青年が生息しているのかは知らないが、新陳代謝の活発な彼らの体臭も汗も、遮るもののないこの広い空間ではたちどころに乾いた風が吹きさらっていく。無菌室と揶揄されることもしばしばで、しごくもっともな命名だとわたしは思う。 「至高聖所(ア…

千刈ダム

ゲートピアは上部がアーチ型で、それが整然と並ぶ姿は、ダムにおける近代建築の象徴、といえる風格だ。 「ダム2」 萩原雅紀 メディアファクトリー 神戸三大クラシックダムといえば、立ヶ畑、布引、そして千刈である。 僕は、そもそもダム好きではあるのだけ…

ヴィーナスブリッジ

「オートバイに乗るということは若さを取り戻すことだと思います。ぼくには若さへの執着があり、若さというものに対して強い憧れを持っているのかもしれません」 オートバイを若さの象徴として捉えることは、陳腐であるが悪くはない。したがって、この答えも…

再度公園

幾千万万の蛙があがる。水絹色の満月めがけて。あがる。あがる。あがる。 りーるるる りーるるる りら りら りら 「Beethoven : Spring Sonata 第一印象」 草野心平詩集(ハルキ文庫)より 再度山は、空海ゆかりの山である。 もっとも、空海ゆかりの何とかだ…

灘・丸山公園

海があるということは夜になっても仄かな明るさを残す水平線があるということふるさとのもうひとつ向うにあるニンゲンの始原の生まれ故郷をいつも見晴るかすことができるということ 「海がある」 川崎洋詩集(ハルキ文庫)より コロナパニックの最中だから、…

ルミナス神戸

もしこの生前の一連の指導で解脱に至らないならば、〈チカエ・バルドゥ(死の瞬間の中有)〉において、〈ポワ(転移)〉という、記憶するだけでおのずから解脱できる手段が適用されるべきである。普通の能力のヨーガの実践者ならば、これを受持し実習するこ…

スターバックス

Cuando la tarde languidece renacen las sombras, ・・・ 「Moliendo Cafe」 Jose Manzo perroni ラテン・ベスト・コレクション/全音楽譜出版社 コロナウィルスの流行のために、緊急事態宣言が発令された。 神戸では、あの店もあの店も臨時休業という事態にな…

夙川の桜

ああ、桜の樹の下には屍体が埋まっている! いったいどこから浮かんできた空想かさっぱり見当のつかない屍体が、いまはまるで桜の樹と一つになって、どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。 今こそ俺は、あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たち…

花隈城址

「それは、まだはっきりとはきまっていない。まず、城がおれにどういう仕事をさせるつもりなのかを、確かめなくてはならん。たとえば、こちらの城下で仕事をすることになれば、宿もこちらにするほうが、理屈にかなっているということになるだろう。それに、…

神戸臨港線③

「ドッテテドッテテ、ドッテテド でんしんばしらのぐんたいの その名せかいにとどろけり。」 「注文の多い料理店」(月夜のでんしんばしら) 宮沢賢治 新潮文庫 今度は架道橋から西へと歩いてみる。 架道橋はHATの市営住宅群の手前で切れている。ちょうど旧…

ポートタワー

新開地でタクシーを拾うとき、ポツリポツリと降り始めた雨は、中突堤(メリケン波止場)のポート・タワーに着くころにはすっかり本降りになっていた。 「犬の記憶 終章」 森山大道 河出文庫 地元の観光名所というものは、そう度々訪れないものだ。幼い頃に一…

モトコー

赤い裸電球の下の、琺瑯びきのバットに充たされた現像液のなかから、裸の男女がさまざまな姿態で絡まり合った構図が、仄白い小さな印画紙のうえに次々と露われてくる。・・・一見それは、畳鰯のようにも、あるいは縁日の金魚すくいの金魚のようにも見えてくる。…

神戸臨港線②

下流の方は川はばいっぱい銀河が大きく写ってまるで水のないそのままのそらのように見えました。 ジョバンニはそのカムパネルラはもうあの銀河のはずれにしかいないというような気がしてしかたなかったのです。 「銀河鉄道の夜」 宮沢賢治 新潮文庫 国道二号…

布引の滝

力をもいれずして、天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり。 「古今和歌集」 中島輝賢(編) 角川ソフィア文庫 日本三大○○はいくつもあるが、日本三大神滝といえば、那智の滝、華厳の滝、…

徳光院

山門を入ると、左右には大きな杉があって、高く空をさえぎっているために、路が急に暗くなった。その陰気な空気に触れた時、宗助は世の中と寺の中との区別を急に覚った。静かな境内の入口に立った彼は、始めて風邪を意識する場合に似た一種の悪寒を催した。 …