笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

1.17

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 今年も神戸は1.17を迎えた。27年目だそうである。
 東遊園地は改装工事中だが、一部開放して集う会が行われているとテレビで報道されていたので、昼過ぎに一人で訪れた。そして、モニュメントで手を合わせた。
 今年も、中継車がずらりと並び、あちこちでインタビューが行われている。27年たっても、これだけ注目を集めるのか。僕自身も被災者なのだけど、被災者であるが故にかえって、27年前の地震がどれほどの事件だったのかピンとこないところがある。
 今年のテーマは「忘れない」だそうで、紙灯籠は地面に大きく「忘」の字をえがいている。帰った後にテレビをつけると、インタビューで「忘れられるなら忘れたい、でも忘れられない」と言っていた。

 忘れた方がいいのか、忘れない方がいいのか、当事者としては微妙なところである。その感覚、被災者である僕にはよく分かる。辛い記憶だ。忘れてしまえば楽になるだろう。でも、忘れることなどできない。忘れることができないから、その辛い記憶と共に生きるしかない。しかし、生半可な覚悟で背負える記憶ではない。「忘れないのだ」と気負っていなければ、こちらが押しつぶされてしまいそうな、その記憶。
 神戸はまだ、震災後なんだろう。だとしても、僕たちは前を向いて生き続けなければならない。その記憶を背負ったままに。


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