笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

王子の市営プール

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 僕は泳げない。
 正確に言うと、辛うじて25mを平泳ぎもどきの泳法で泳げる。それ以上は無理、それ以外は無理。その25mの平泳ぎもどきだって、確実に泳げたのは20年も前の話だから、今はもっと泳力が落ちているだろう。
 そもそも、陸上の生物である人間が、水中で活動する意味が分からない。そりゃ、多少は泳げた方が便利なこともあるだろうけど、どうせイルカやクジラのようには泳げないのだし、無理に泳力をつける必要なんてないじゃないか。なのに、どうして学校の授業には水泳がある? 意味がわからん。
 ああでもね、水遊びは嫌いじゃなかった。夏に、くるぶしぐらいまでの浅瀬で水をジャバジャバやるのは気持ちいい。それぐらいでいいんだよ、それぐらいで。
 親がこういう僕だから、うちの子どもたちも似たような考えをもっている。長女は幼稚園の間だけ水泳教室に通ったけど、途中で嫌になったらしく、とっくに辞めてしまった。息子たちは、そもそも泳ごうという気がない。でも、水遊びは楽しいらしく、時々、プールに連れて行けと要求してくる。そういうわけで、市営の手軽に遊べるプールに家族ででかけるのは、夏の我が家の習わしのひとつだ。

 神戸市民の我が家には、行き先の候補がいくつかあって、王子の市営プール、しあわせの村の温水プールポーアイのスポセン、総合運動公園のチャプチャプ池、など。どこも、浅瀬があって、我が家にはちょうどいい。

 王子の市営プールには、僕自身が子どもだった頃にも行った記憶がある。あれ、いくつの時だったんだろう? よく覚えていない。友だちと、友だちのお姉さんと、子どもだけで行ったはずだ。とにかく水が汚かったことをよく覚えている。水に潜ったらう○こが浮いていたのを見て驚いたのは強烈な思い出だ。
 先だって、うちの子どもを連れて行った時には、さすがにう○こは浮いていなかったけど、露天なので落ち葉なんかが水に浸かっていて、屋内にある温水プールに比べるとやはり、清潔感には乏しい。もちろん、衛生的に問題ない環境を整えてくれてはいるのだろうけど、今日の感覚にてらして、ちょっと不十分な感じは否めない。

 この王子のプール、廃止なのか改装なのか、とにかく閉館の予定なのだそうだ。遊び終えて出てくると、入り口のところで署名活動をしていた。改装なら賛成だけど、廃止だったら、ちょっと寂しいなあ。どうするんだろう? うちの子どもは、もうかなり大きくなってきたので、僕と僕の家族の生活にはあまり影響ないけど、孫が出来た時に利用するなら、廃止より改装がいい。