笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

スマスイ


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 新年、コロナの感染拡大はあまり好ましい状況とはいえなかったが、家に子どもを閉じ込めっぱなしというわけにもいかなくて、王子動物園と須磨水族園に行った。
 動物園の方は、幼稚園の春の遠足で利用するので、時々行っていたが、水族園の方は長い間行っていなかった。本当は、このコロナ騒ぎの冬に出かけるつもりはなかったのだけど、まもなく改装工事が始まると聞いて、改装前の姿をまぶたの裏に焼き付けておこうと思い、家族で出かけた。
 僕が生まれて間もない時には須磨の水族館は今の水族園とは違って、確か小学校高学年ぐらいだった頃に、現在の姿になったと記憶している。エントランスを入ってすぐの大きな水槽に感動したものだ。今となってはあのクラスを超えるの水槽も珍しくなくなったが、まだ小学生だったあの頃の僕にはなかなか衝撃的だった。
 その時以来・・・というほどでもないが、かなり久しぶりにスマスイに行って、その水槽と対面した。「ああそう、これこれ」と思った。十年ほど前に妻と美ら海水族館に行って大水槽を見ているので、もうそんなに驚きもしなかったけど、見ればやっぱり昔を思い出す。懐かしかった。
 次の改装では、かなり高級志向の水族館に生まれ変わると聞いた。どんな水族館になるのだろう。敷地自体は拡張できないだろうから、江ノ島水族館ぐらいの感じになるんだろうかなんて勝手に考えている。エノスイも素晴らしい水族館だ。料金がもう少し手頃だともっといいんだけど。個人的な希望を言えば、きれいで立派な水族館にして欲しいとは思うけど、できれば懐かしいものも少し残しておいてほしいな。遊園地のバッテリカー一台でいいから残しておいてほしいな。あのバッテリーカー、もちろん代がわりはしているだろうけど、多分僕の子どもの頃にもあったように思う。
 過去と未来をつなぐ手がかりが全くなくなってしまうのは、やっぱりなんだか、ちょっとさみしい。