笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

EWI4000から異音がする?

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 子どもが寝た後に、30分ほど、EWIを吹く習慣が続いている。
 ウィンドシンセサイザーはヘッドホンをつければ無音になるのがウリのひとつだと思うのだが、僕が余った息を捨てる音やキィ(センサー)を指が叩く音だけは消すことができない。それでも、生楽器を吹く爆音に比べればささやき声みたいなものだから、子どもの目を覚ますようなことはない。
 しかし、この息を捨てる音、なんとかならんかなあ。捨てなければいい、というスパルタな選択肢はない。捨てないことには吹けない。僕がEWIを吹いているという事情を知らない人が扉の向こうでこの音を聞いていたら、何と思うのだろう。ターボエンジンの吸気音のモノマネか何かに聞こえるだろうか。
 EWIプレイヤーとして名高い本田雅人さんの演奏なんかを見ると、あまり息を捨てているように見えないのだが、彼は息が余るってことはないのだろうか。絶対余ると思うんだけどな。ああでも、そういやオーボエ奏者も息を捨てるというけれど、彼らが僕みたいなターボ音を発しているイメージはない。なにか、上手に捨てるコツがあるのかもしれない。今度研究してみよう。

 ところでこのEWI吹奏楽を教えている中学校に時々持っていくのだけど、去年の秋あたりから、タンギングのタイミングで異音が発生するようになってきた。
 レガートで演奏していると大丈夫なのだけど、タンギングをすると「パツッ、パツッ」と変な音がアタックのところに入る。スイッチを入れ直しすと改善することもあるので、最初はそうやって対応していた。しかし近頃、リブートをかけてもそのパツパツ音が消えない。
 故障か? ネットで検索をかけても、そういう症状の情報はヒットしない。なんだろう、これ。僕が個人的に演奏を楽しんでいる分には、あまり問題は感じない。しかし、中学生の音とりやフレージングの確認をしているときに異音が出ると、非常に邪魔になる。

 故障である、ということであれば、まあ仕方がない。もう10年ぐらい使っているので、故障ぐらい当たり前、という考え方もできる。EWIの耐用年数がいったいどれくらいなのか、全然わからないけど、機械である以上、そろそろガタがきてもおかしくない程度には使い込んでいると思う。
 もし故障だとすると、選択肢はみっつ。ひとつは、故障の程度は軽いのでそのまま使い続ける。もうひとつは、修理に出す。そして最後は、買い換える。

 まあ僕も金持ち父さんではないので、当面は使い続けるかな。でももし、故障がひどくなって本格的にヤバいということになったら、後者ふたつの選択肢のうち、どちらかを選ぶことになるだろう。

 もし買い換えるなら、何がいいだろうな。もう一度EWIでもいいけど、他のウインドシセサイザーを試してみたい気持ちもある。
 買い換えるとなったときに、EWI以外で候補にあがってくるのが、まずは以前ここで書いたこともあるヤマハのデジタルサックスYDS-150、次にローランドのエアロフォン。他にもNuRADやエレフエってのもあるけど、NuRADはかなり高価だし、エレフエは簡易にすぎるし、ちょっと選択肢にははいってこない。すると、YDS-150かエアロフォンあたりが有力だろう。
 僕がそれを何につかうかってことが大事だと思うんだけど、そもそも僕がなぜ今こんなにEWIを吹いているかというと、去年の年末にサックスの練習不足を補うのが目的だった。そして、それとは別に、中学生の吹奏楽部を教える時に、音とりに使える移調が簡単な電子楽器としても使っている。これが、僕のEWIの用途だ。
 ちなみにEWIの運指は、サックス準拠となっているが、やはりリアル・サックスとは微妙に違う。特に気になるのが、サイドキィ・パームキィ・トリルキィがないこと。これらのキィがないせいで、EWIでのトレーニングは、微妙にサックスのトレーニングとは言いがたいものになる。
 どうせ買い換えるなら、もっとサックスらしいインターフェイスをもったウインドシンセがいいわけだが、そういう意味でもYDS-150とエアロフォンはリアル・サックスにより近い(というか、ほぼ同じ)ので、このふたつは有力候補になるだろう。一応ではあるがサックスの指の練習にもなるし(アンブシュアのトレーニングにはならない)、移調も簡単、アンプに接続ができて、音の強弱も表現できる。いやむしろ、スピーカーを備えている分、移動しながら使うのに出力装置を持ち出さなくていいので、EWIより僕の用途にあっているかもしれない。
 おおお、こんなことを書いていると俄然、欲しくなってきたぞ、YDS-150かエアロフォン。

 このふたつのうち、どっちかを選ばなきゃいけないとしたら、どっちがいいかなー? 僕にとってこのふたつの電子楽器の大きな相違点はまず、演奏するための操作インターフェイスがボタンかキィかってこと。YDS-150はプラスチック製でありながらも、ほとんどサックスと変わらないキィを持っている。それに対し、エアロフォンの操作はボタン。タッチは断然、YDS-150の方がいい。そして、もう一つの相違点は、重量。エアロフォンの上位機種はYDS-150と変わらない重量があるのだけど、中級機のae-05であれば600グラム程度で済み、YDS-150よりかなり軽量だ。従って、インターフェイスを優先するならYDS-150の方が満足度が高いし、可搬性を重視するならエアロフォンにアドバンテージがある。難しいな。
 買い換えると決めたわけじゃないし、今はまだその必要もない。だから、ウインドシンセサイザー基金を設立して、年末まで貯金したら、その頃にどうするか決めようかな。うん、それがいい、そうしよう。