笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

木管楽器のキィの回転方向

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 今年に入ってから、サックスを練習している。長女が生まれた頃に一旦お休みしたサックス、かなりブランクがあったが、休む直前ぐらいまでにはスキルが回復したように思う。もっとも、僕のプライマリの楽器はフルートなので、そう上手だったわけではない。フラジオもハーフタンギングもできないぐらいだから、「初心者ではない」ぐらいの技術だろう。
 そういう訳なので、これから先はスキルアップを狙って練習を続ける気持ちでいる。さっき挙げたフラジオ、ハーフタンギングに加えて、グロウルももうちょっと思い通りにキメられるようになりたいし、スラップタンギングなんかにもチャレンジしてみたい。
 とはいえ、やはり練習の基本はロングトーンとスケールだ。僕はテナー吹きだが、サックスのキィタッチはフルートに比べて格段に重い。まずは、この重さに対処できる指の力が必要だ。特に小指で扱うキィに慣れておかないと、まともに吹ける気がしない。

 最近、そのキィのことで気になっていることがある。
それは、フルートとサックスでは、右手小指で扱うキィの回転方向が違うことだ。どちらの楽器も、右手小指で扱うキィはその楽器のEsとCに関わるキィなのだが、このキィを支えるポストが、フルートでは奏者からみて向こう側、サックスでは奏者側についている。キィは押した時に、回転軸であるポストの方向に向かって回るわけで、そうするとどちらの楽器でもキィはポストの方向に向かってロールする動きをとる。
 これが、奏者にとってはEsキィとCキィを操作するときに、フルートでは外側に向かって押し込む方向、サックスでは自分の方にむかってたぐり寄せる方向に力をかけなければならない、という感覚の違いになる。少なくとも僕はそう感じる。
 長年フルートを吹いてきた僕はやはり、フルートのキィの感触が体になじんでいる。そのために、サックスを吹いている時には違和感がある。なんかね・・・キィを押し込んでいった時に、そのキィが接地する直前あたりで、抵抗感が増すというか、力が逃げていくように感じるのだ。サックスの小指のキィは多分、さっきも書いたように手前にたぐりよせる方向に力をかけるとスムーズに操作できると思うのだが、トレーニングに集中するとフルートのクセが出てきて、どうしても指が向こうへ押し込む方向に力をかけようとしてしまう。そのせいで、キィが重く感じるし、キィの操作にタイムラグが生じるし、きちんとキィの開け閉めができていないと感じる時が、集中すればするほど増える。

 実をいうと、僕はパームキィ(左手の手のひらで操作するキィ)の操作も苦手で、これもやはり、フルートにないキィだからだ。まず、左手の手のひらで操作するキィというもの自体がフルートにはない。古典フルートにはCを出すためのキィで似たようなあるけど、これは右手で操作する。パームキィの回転方向が管に対して垂直の軸だというのにも違和感がある。
 先だってヤマハのホームページを見ていたら、リニューアルしたYAS-875のフロントFキィの回転軸が、管に対して水平方向に改められたという記事が出ていた。そうそう、そうなのよ、ヤマハさん、よく分かってるじゃん。あの、キィの回転方向って、大事なんですよ。あのさ、ヤマハさん、ついでだから、パームキィと右手小指のキィの回転方向も変えません? ここを変えるのはかなり大がかりな工事になるとは思うけど、ヤマハさんならできるよね? ね、ね? 変えてくれたら、買うよ? 約束するってば。値段にもよるけど。