笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

Kaweco Classic Sport 

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 人には一人ひとつずつ、誕生日とかいうものがあるらしい。
 誕生日のことなど役所や病院で書類を書く時ぐらいしか思い出さないので、日常では自分にも誕生日があるということを忘れているし、僕がそういう人間だから周囲からも僕の誕生日は放置されている。しかし、家族だけは(特に娘が)僕の誕生日を心待ちにしていてくれて(ケーキが食べられるから)、僕のためにケーキとプレゼントを用意してくれている。
 プレゼントは、「何がいい?」と事前に訊かれるので、高すぎず安すぎないものを予め考えておかねばならない。何でもいいと応えると、すみっコぐらしの人形が大量に届くので、必ずこたえを準備しておく必要がある。ちなみに、妻の誕生日も同様の流れだ。そして、妻の誕生日のプレゼントは僕のポケットマネーで用意し、僕の誕生日プレゼントは妻のポケットマネーで購われる。そういうわけだから、価格は似たようなものにしておく必要がある。今年の妻の誕生日には3000円ちょっとのものを用意したので、同程度の価格帯で考える。

 3000円台前半ぐらいで欲しいもの・・・案外難しかったが、気楽に持ち出せる太軸のペンがあるといいなあと思っていたので、カヴェコのクラシックスポーツをお願いすることにした。
 ボールペンとペンシルもあるようだが、僕が一番使う筆記具は万年筆だし、価格に差もないので、万年筆をもらうことにした。誕生日に「おめでとう」と渡された包みを解くと、レギュラーのソリッドな色のやつを勝手に想像していたのだけど、パステルカラーで半透明のタイプが出てきて驚いた。そんなのあるんだ、知らなかった。
 予め用意していたコンバータをさして、パイロットのブルーブラックを飲ませた。で、さっそく試し書きしてみると、おお、パイロットの万年筆にひけをとらない良好なフロー。ステンレスのペン先はハードだが、フローがいいので心地よい筆記感が楽しめる。いいじゃん、カヴェコ。素敵。

 軸もいい。キャップを軸にさして使えば、普通に筆記ができる十分な長さになるし、太軸は握りやすい。適度なグリップ感もある。書きやすい。
 驚いたのは、コンバータの容量。具体的にどれだけ入るのか知らないが、見た目のコンパクトさからは想像もできないぐらいの筆記量がある。僕の手元にあるのは「ミニコンバータ2」という新しいタイプのもの。値段が1000円近くして、ちょっと高くない? とは思うけど、使いやすいし、これだけインクが入るのなら許せる。注射器のようにピストンを引く動作でインクを吸入するのも面白い。

 コロンとした見た目のかわいいクラシックスポーツ、ルックス重視で使い勝手はほどほどなのかと思っていたら、案外書きやすい。コレクターも多いそうだけど、なんだか納得できる。来年の誕生日にも、別のクラシックスポーツをお願いしてもいいな、って気になった。もし、プレゼントしてもらうなら、何がいいだろう。ボールペンは、ジェットストリームで満足しているから、ペンシルがいいかなあ。頂いた早々でこんなことを言うのも、なんだけど。


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