笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

パイロット・ブルーブラックとブルー

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 パイロットのブルーブラックインキ、70mlのボトルの水位が半分を切った。
 ボトルの形状が尻すぼみなので、ここからの減りはけっこう早い。頓着せずに使っていると、知らぬ間になくなっている。空っぽになってから「しまった、インクがない!」と慌てたくはないので、詰め替えるために30mlのボトルをふたつ買ってきた。70mlのボトルが空いたら洗って、インキを詰め直すのだ。
 そうたくさんの種類のインクを使ってきたわけではないけれど、やっぱりパイロットのブルーブラックが総合的にみて僕にとってのベストだ。視認性がよく、扱いやすい。インクの性能の判断は、この二点に尽きる。これに加えて保存性を求める人もいるようだが、僕の場合そんなに過酷な環境で使用しているわけでもないから、あまり気にしない。汗で湿った指先が触ったくらいで滲むようではちょっと困るけど、パイロットのブルーブラックは一旦乾燥すれば気になるほど耐水性で劣るというようなことはないので、僕にとっては問題なし。
 万年筆を使うようになってもう何年か経つが、その間にパイロットのブルーブラックだけで、この瓶を二度カラにした。次が三度目。こんなに使っているインクは他にない。おかげで、そんなにたくさんあるわけでもない他のインクが、中々減らない。それぐらい気に入っている。
 もし、このパイロットのブルーブラックの気に入らないところを挙げろと迫られたら、僕は困ってしまうのだけど、あえて一点挙げるなら、色味だろうか。
 この色、ブルー・・・ブラックか? と、ブラックに疑問符をつけたくなるくらい、ブラックの要素が少ない。例えば、僕が準レギュラーにしているセーラーのブルーブラックだと、青の中にはっきり黒を感じる。しかし、パイロットのブルーブラックは、明度は確かに低いものの、どう見たって青、ブルーだ。

 しかし、パイロットのレギュラーインクのラインナップには、ブルーブラックとは別に「ブルー」が存在する。どういうことだ? このインクより青いのか? 
 ブルーのインクが存在することは以前から知っていて、どんな色なのかずっと気になっていた。ネットで色の比較をしている記事がないか探してみたのだけど、グーグルではひっかからない。しかし、商品として存在し続けているということはきっと需要があるわけで、誰かが何か特別な理由があってブルーを選ぶのだろう。正直に言って、僕はブルーを使う用事は全然ないのだけど、ひょっとしたらブルーブラックよりいいのかも知れない・・・そう思って、ブルーブラック二瓶に追加でブルーも一瓶、買い求めてみた。

 さっそくペンに飲ませて書いてみると、おおっ、これはブルーだ! ブルーブラックよりもずっと明るい。これこそブルー! 
 不思議なのは、今まで青にしか感じられなかったブルーブラックが、ブルーと比較すると、明らかに「黒い」と感じられること。ああ確かに、こっちはブルーブラックで、こっちはブルーだ。明度差の問題なのだろうけど、並べるとちゃんと黒の要素に差があるのが、面白い。
 ブルーも中々いい色だ。明るい。プラマンのブルーみたいな色をちょっと期待していたけど、ああいう少し赤みを帯びた色合いではなく、本当に純粋無垢のブルーだ。これはこれでいい。あーでも、ちょっと芯がない感じがするな。視認性はよいが、どこか頼りない感じがする。
 とりあえずコンバータ一本分だけ使ってみた。で、僕の結論としては「やっぱりブルーブラックがいい」だ。悪いインクじゃないんだけど、僕にはちょっと明るすぎて、どこかうわついた印象がある。そういう訳で、ブルーを飲ませたペンはすぐに洗って、ブルーブラックを詰め直してしまった。
 パイロットのブルーブラック、やっぱりいい。僕的には最強のインクである。