笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ツバメノート


f:id:sekimogura:20211020234936j:image

 

 ツバメノートを愛用している。もう何十冊使ったかわからない。
 廉価なノートではないが、高級品というほどでもない。ただ、書いて書きやすく、読み返して読みやすいので、気に入っている。クラシカルなデザインもいい。僕は罫線入りのノートを使うが、罫線以外の無駄な線や点が少ないところも好きだ。
 ノートも道具には違いなく、道具というのは用途によって最適解が異なる。要するに、ツバメノートは僕の用途にマッチしているのだ。何に使うかと言うと、本を書き写しながら読むのに使っている。

 僕はAクリーム紙の4サイズ・40枚の7mm横罫を使う。ツバメのホームページ上では罫線幅8mmになっているのだけど、どういうわけかAmazon上では7mmと表示されている。まあ、1mmぐらいの違いであれば僕は気にしない。
 しかし、近頃は5mm方眼のノートが主流のようで、もしこの方眼を横罫に見立てて書くとすると、5mmか10mmの罫線ということになるわけだが、5mmではちょっと狭すぎるし、10mmでは広すぎる。その中間あたりの7mm、8mmあたりの横罫というのはよく考えられていると思う。図を書くときには、横罫は無視。どうしても横罫が邪魔に思える時には無地の付箋を使う。
 40枚にしたのは、50枚や100枚だと厚すぎ、30枚だと物足りないから。実を言うと、50枚がベストだと思っているのだが、50枚のノートは25枚の束をふたつ貼り合わせる格好になっていて、その継ぎ目のところに表紙の余白が飛び出しており、その真ん中のページを書くときに手がその余白にあたると痛い。なので、僕は40枚を選ぶようにしている。

 僕がツバメノートを選ぶ理由は、僕のノートの用途に適しているということ以外に、ふたつある。
 一つ目は、紙の色が目に優しいこと。
 僕は真っ白で反射の強いノートが苦手で、まぶしさのために目がチカチカすることがある。例えばコクヨのノートなんかだと僕はダメで、明るい場所で使うと気分が悪くなることさえある。その点、ツバメノートは白色の紙を選んでもわりと目にやさしく、幻惑されない。ツバメなら白でも問題ないのだけど、僕は一応クリーム紙を選んでいる。クリーム紙であれば、例えば図書館で直射日光を避けられない席に座らなければならないような場合でも、あまり気にせず筆記を続けられる。
 二つ目は、万年筆で書いて裏抜け・にじみが少ないこと。
 僕の持っている万年筆で最も裏抜け・にじみが生じやすいのはパイロットのカスタム74・中字だ。とにかくフローがいいので、インクを吸いやすい紙や薄い紙では裏抜け・にじみが発生する。ツバメは、全く裏抜けもにじみも起こらないかと言えばそうでもないけど、気になるほどひどい状態になることはない。少なくとも、抜けたインクがその下にある反対側のページを汚すようなことは今まで一度もない。

 ここのところルーズリーフを使う機会が多く、ノートの出番はあまりなかったのだけど、小説以外に詩を読むようになり、ノートは詩を書き写しながら読むのにまた使うようになった。A4ノートだと、ソネット(14行詩)ぐらいの詩が見開きの片側におさまるので、ちょうどいい。見開きA3のスペースを使ってソネットをひとつ、メモをとりながら構造や文意を解析する。短歌や俳句なら片側、A4で十分だ。30行以上ある自由詩なんかはちょっと収まりが悪いが、その場合はページをめくればいい。

 ノートとルーズリーフ、A4の紙というふうにとらえると、僕は年に、だいたい二、三百枚くらい使うだろうか。どちらも、いつでもすぐに使えるようにストックしている。近頃は物価の上昇が激しく、ちょっとした消耗品も値上がり、値上がりだ。ノートだとかルーズリーフだとか、こういう身近な品物もそのうち値上がりするのかなあ。嫌だ。
 あと一冊使い切ったらストックの補充を注文しようと思っている。だから、どうかそれまで値上げしないで、ツバメさん。ヘビーリピーターからのお願いです。