笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

課題曲

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 数年前から、吹奏楽部の指導のお手伝いとして中学校にお邪魔している。
 いくつかの学校でお世話になったけど、僕みたいなのを使ってみようという学校には大抵、それなりに大きなバンドがある。そして、ある程度まとまった規模のバンドは、吹連のコンクール(通称、吹コン)に参加することが多い。そういう訳で、ここ何年か、僕はコンクールの曲にかかわるようになっている。
 詳しい方には断るまでもないことかもしれないが、夏のコンクールでは二曲を演奏する。ひとつは自由曲といい、それぞれの学校が独自に選曲できるもの。もうひとつは課題曲といい、吹連の提示する数曲の中から一曲選ぶもの。アンサンブルコンテスト(小さなチームで参加するコンクール)が基本、自由曲で参加するのに対し、吹コンではこの課題曲をプログラムに入れるのが特徴だ。昨今は、4曲の課題曲の中から1曲選ぶ、というのが標準のようで、今年度もそうだったし、来年度も同様。
 僕は去年、2023年度の課題曲のひとつであった「レトロ」を高校生に混じって演奏している。中学生が無理なく演奏できる技量よりちょっと難しめ、という絶妙な難易度が設定されていて、興味深かった。

 課題曲は三学期の中頃に配本が行われる。そして、吹コン参加校は選んだ1曲とコンクールの日まで向き合うことになる。自由曲とのバランスを考え、飽きずに、諦めずに取り組むことができるように選ぶことが大切だ。何せ、半年近くも練習し続けるんだからね。だから、自由曲とは趣向のちがう曲を選ぶ方がいいんじゃないかな。
 課題曲には毎年、必ずマーチが用意されている。マーチはブラスの基本。2024年度はオーソドックス回帰したのか、普通の雰囲気のマーチが選べる。うん、課題曲はこういうのがいいよ。「レトロ」みたいなのも好きだけどこういう曲は、どっちかというと、コンサートピースにふさわしい気がする。課題曲って、なんていうか、宿題みたいなもんじゃない? カッチリした曲を、カッチリ仕上げることに意味があるような気がする。だから、課題曲は手堅く選んで、自由曲で冒険するっていうのが、いい選び方なんじゃないかなあ。
 僕のお邪魔している中学校もマーチを選んで(僕が選んだわけじゃない)、さっそく練習にとりかかっている。平行して、3年生の送別や新年度の部活紹介で演奏する曲の練習もしていて、結構忙しそうだ。ガンバレ。

 ちなみに僕自身は、演者としては吹コンに関わったことはない。高校時代に所属していた部活は、超々弱小ブラスだったので、吹コンには参加していなかった。そもそも、吹連に加盟すらしてなかったんじゃないかな。
 まあそういう僕だから、吹コンに向かって部活感のある生活をガッツリ送るのも悪くないけど、コンクールのないゆるっとした活動もいいじゃないって思っている。来年度、違う学校に行くことになったら、次はそういうゆるーい学校にも行ってみたいな。お声がかかるといいのだけど。