笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

クラリネットのカスタマイズ。

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 クラリネットの練習を続けている。
 レジスターで音域を切り替えるときの継ぎ目、ラやシb/シ♮やドの交換に苦労している。初心者なら誰でも苦労するところだろう。僕も、管楽器経験は30年以上であるとはいえ、クラリネットに真剣にとりくんだことは今までなかったから、所詮はビギナーだ。普通に難儀している。
 ラからシにいく流れが、特に難しい。左手小指でレバーを操作してシの音を出すのだが、その時に、隣接しているド#のレバーにどうしても触れてしまう。小指の指先を立ててみたり、角度をつけてアプローチしてみたり、色々工夫しているのだけど、ダメ。
 楽器の演奏では、普通の人間の指の構造上で可能な動作をすべて試してみて、その上で成功率が上がってこない場合、楽器の方を調節するという手段がある。例えばフルートだと、Gisキィの高さを変えたり、リングキィの穴にプラグキャップをはめたりする。僕はヘインズを買った時に、Gisキィの高さを変えてもらった。別に難しいことではない。楽器屋さんに持っていって、「1mmくらい高くして下さい」って言えばすぐにやってくれる。

 クラリネットも、同じようにキィの高さを調節しようかな。しばらく迷いながらトレーニングを続けていた。借り物の楽器だと勝手に改造するのはマナー違反だが、せっかく自分の楽器を買ったのだから、やってもらうことにした。
 シのキィとド#のキィの高さのバランスが問題で、現状、僕にとっては、シのキィが低すぎて指が干渉するバランスになっている。これを、シのキィを高くすることによって解決するのか、ド#のキィを低くすることによって解決するのかという2つの選択肢がある。今回の修正では、楽器の構造上、どちらも可能なので、好きな方にすればよい。
 しかし、自分の手の大きさとの兼ね合いがあるので、高くあわせるか低くあわせるかというのは結構重要な問題だ。しばらく迷っていたのだけど、今回はシのレバーを高くすることにした。

 シのキィとは別に、右手のサムフックの高さも調節した。YCL-255の場合、この作業は自分で簡単にできるので、DIYした。調節機能のない高級機種だと、サージカルテープを巻いたりコルクを貼り足したりして調節するらしいが、僕の楽器はネジで簡単に調節できる。ここは、30秒もかからずに作業完了。
 レバーは、自分で曲げて曲げられないことはないのだけど、リスクもあるので、楽器屋さんにお願いした。保証期間内の調整なので、無償でやってもらえるしね。こちらは、10分ほどで完了。一度、少し曲げてもらってからタッチを確かめ、物足りなかったので「もう少し曲げて下さい」と頼み、二度目でちょうどいい場所にきた感覚を得た。これでOK。

 で、そうやってカスタマイズした結果・・・吹きやすくなりました!
 いやーもうね、雲泥の差ですよ。あの苦労は何だったんだと地団駄を踏みたくなるくらい、イージーになりました。なんだー、もっと早くやればよかったよ。でも、キィを曲げるっていうことは当然、曲げたキィの金属に疲労を蓄積することになるので、あまり頻繁にやらない方がいいのは確かだから、慎重な姿勢でいることは必要だ。今回は、結果オーライ。調節が一発でキマって、操作性もよい。完璧だ。

 こういう調整が、すべてのキィに対してできるわけではないし、調節の幅にも限界があるし、調節がすべての問題を解決するということでもない。効果や範囲は限定的である。しかし、調節で解決出来る問題ならば、積極的にチャレンジする価値はあるだろう。
 中学生だって、自分の楽器なら自分の手に合わせてカスタマイズをどんどんすればいいと思う。ただ中学生だと、手のサイズは成長の途中だと思うので、どんな調整をカマすべきかはよく考えなければならない。でも、今回僕がやったような調整は、誰がやっても効果的だと思う。僕はオススメします。