笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

Salor Profit21 中字

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 今年度に入って、体調や仕事の具合もあり、手書きする機会が減っていた。手書きする時には万年筆を愛用しているのだけど、あまり使わない時にはキャップの気密性の高いプラチナのセンチュリー3776が安心なので、しばらくプラチナばかり使っていた。しかし近頃、僕の手が「たまにはセーラーがいい」と主張する。だから、久しぶりに中字のプロフィット21にインクを飲ませることにした。
 飲ませたのは同じセーラーの、ブルーブラック。国産3社の染料インクであれば何を飲ませても問題はないのだけど、せっかくセーラーを使うし、僕がメインに使っているパイロットではなく、セーラーのインクにした。セーラーのブルーブラックは、他の2社に比べてブラックが強い。真夏に使うには暑苦しいが、最近は残暑もやわらいだし、今の季節にはちょうどいい色だ。

 プロフィットは2本持っていて、もう1本はロジウムメッキの細字。で、こちらはゴールドの中字。細字は使い込んであるので、毛筆のように滑らかなタッチで書けるが、この中字はまだ手に入れて日が浅く、まだ少し固さがある。Pen and Messageさんで研ぎ直してもらったのは前の冬だったろうか。ペン先調整のおかげでずいぶん書きやすくはなっている。しかし、もうちょっと使い込んでやらないと、細字のようなタッチにはならないだろう。

 でも、書き味は十分に心地良い。僕が最初に手に入れた金ペンがセーラーだったせいか、セーラーのペンは僕の手にしっくりくる。ペン先の硬さがちょうどいいのだ。時々、プラチナは硬すぎると感じたり、パイロットは弾性が強すぎると思ったりすることがあるけれど、セーラーは硬さも弾性もほどよく、長く書いていても疲れにくい。
 ただ、長く使ってみて思うことは、あまり大量に書かない時はスタンダードぐらいのサイズの方が小回りがきいてよさそうだ、ということ。僕はセーラーでもう1本、プロムナードを使っているけれど、このサイズのペン先は、ちょっと書いては休み、を繰り返すのにちょうどいい。
 そのプロムナードが中細字で、気に入ってはいる。しかし時々、太すぎると感じることがあり、細字も買おうかな、なんて思うこともあるが、近頃は万年筆の価格も高騰していて、僕がプロフィット21を手にれた時の値段とほとんど同じになってしまい、うーんって感じ。
 近頃はインクも値上がりしていて、特に、ちょっと色気のある限定色なんて、気軽にコレクションできるような値段ではなくなってしまった。まあ僕はそういうのをほとんど使わないから別にいいのだけど、レギュラーインクもあれぐらいの価格になってしまったら、とても困る。

 それはともかく、せっかくインクを飲ませたので、しばらくはセーラーの書き味を楽しもうと思う。先だって、人の家に上がらせてもらった時に般若心経が机に置いてあって、帰ってからちょっと調べてみる気になり、本からノートに書き写した。これって写経? いやいや、そんな大層なもんではありません。お勉強です。色即是空・・・これって、現象学の土台になっている考え方と同じかなあ? 久しぶりに哲学の勉強もしたくなってきた。さて、慢性疲労症候群の脳みそで理解できるだろうか。一度読んで理解したことのある事柄は、問題なく読めることが多いので、多分だいじょうぶだと思っているのだけど、どうだろう。