笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

減薬したいけど、まだ無理ぽ

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 慢性疲労症候群を患って、そろそろまる2年がたとうとしている。
 漢方薬の服用によって症状を回避しつつ、無理のない生活をこころがけることで回復を待つ、という方法で治癒を行っている。幸い、僕の症状にあう漢方の組み合わせがみつかり、その漢方薬を飲んでいる限りにおいては、日常生活で問題を感じることはない。もう治ったんじゃない? なんて思うこともしばしばだ。
 しかし、薬の量を減らしたり、種類を変えてみたりすると、以前の調子に逆戻りしてしまう。先だって、四物湯(シモツトウ)という薬を試しにやめてみたら、その日のうちに強い倦怠感が戻ってきた。
 この四物湯という漢方薬、ドクターによると、栄養分を補ったり血流を改善したりする薬なのだそうだ。そもそもなぜこの薬を飲み始めたかというと、僕が慢性疲労症候群を患った当初、体重が激減したのだけど、その減った体重を戻すためだった。罹患から2年近く経って、体重は八割方戻っている。健康だった時に、「少し制限をかければ、無理なく落とせる体重」の下限あたりの重さだ。だから、「ちょっとやめてみよう」という気になったわけだが、体重以外にも問題があり、その部分をこの薬がフォローしていてくれたのだと分かった。

 現在僕は、倦怠感を回避するために、黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)という薬とこの四物湯、そしてブレインフォグの症状を軽減するために抗アレルギー薬「ビラノア」を使用している。

 先だっては黄耆建中湯を別の薬に差し替えて、倦怠感を感じた。で、今回は四物湯をやめてみて、やはり倦怠感が戻ってきたのだけど、この二つの薬を中断した時に感じた倦怠感の感触が少し違って、面白いなあと思った。
 まず、黄耆建中湯を辞めた時は、すぐに倦怠感が戻ってきたわけではなく、一週間程度かけてゆっくりと怠さがつのってきた。このときの怠さというのが、体の芯に水銀を注入されたような重苦しい倦怠感で、筋繊維が錆びて摩擦しているかのように、力をかけても体が動かない。
 で、四物湯の場合は、僕はこれを朝食前に飲んでいるのだけど、服用しなかった日は昼前ぐらいから突然、体から力がはいらなくなり、ガス欠を起こしたような感じで体の動きがとまった。体は動かないが、でもだからって全然動かないで生活はできないから、出かけたりする時は当然歩くわけだけど、そうやって無理に動くと、登山をしている時のように筋肉が熱を帯びてきて、ひどく疲れて筋肉痛のような症状をひきおこす。

 車のエンジンでたとえていうと、黄耆建中湯をやめた時は、エンジンオイルが減って潤滑不足になっている感じ、四物湯をやめた時は、ガソリンの供給に問題があって混合器のバランスが狂っている感じ、と言えるかもしれない。

 薬を止めたり変えたりすると、途端に調子が狂うのは、基本的には体のコンディションは改善していなくて、症状を薬で抑えているだけ、と考えることができる。薬さえ飲んでいれば、そう負荷のかからない生活であれば問題ないのだから、そう悲観はしていないのだけど、2年も経って根本的な意味での問題解決に至っていないという事実は、ちょっと気分が落ちるっていうのも確かだ。特に、季節の変わり目は不調が出やすく、薬では症状を抑えきれない時もあり、すると日常生活にも支障が出て、そういう場合にはやはり精神的に落ち込む。
 それでも、僕はネガティブ思考の割に根本的にはメンタル強めのようで、闇落ちすることなく健全な精神で過ごせているのは有り難い。慢性疲労症候群の症状が出た当初は、うつ病も疑って精神科をふたつ受診したのだけど、どちらの先生にも「心病むタイプではない」みたいなことを言われた。なので、そのへんの心配はいらなさそうだということに、安心してはいる。

 あーでも、しんどいな。体は、間違いなくしんどい。四物湯を抜いたダメージは一週間ぐらいひきずった。今は問題ないレベルにまで回復している。これから暖かくなって機構も安定するだろうから、体調も落ち着くだろう。
 新年度からは、少し仕事の量を増やすことが決まっている。ほんのちょっぴりだけどね。早く人並みの活動量で動きたいものだとは思うが、焦らずに、長い時間をかけて漸増させていくようにしよう。うまくいきますように。