笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

一年経ちました/慢性疲労症候群のその後。

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 確か、去年の今頃だったと思う、急激な疲労の蓄積と体重減少が始まったのは。
 元々69kg台だった体重が、頭痛をきっかけに断酒したせいで減り始めたのが2月。ゆるゆると2kg減って「もうちょと減ればいい」なんて思いながら迎えた四月の転職。新しい職場では、慣れないなりにも楽しくやっていたし、四月下旬に倦怠感を感じてコロナを疑いPCR検査を受けたけど、この時点ではまだそんなに痩せてはいなかった。
 しかし、ゴールデンウィークを境目に体調は急激に悪化する。このあたりから、色々な記憶が怪しい。日記を読み返すと、どんな行動をとっていたのかを確認できるけど、どのタイミングでどの医者に行ったのか、仕事で何をしていたのか、自力ではほとんど思い出せない。入院検査をしたことや、抗うつ剤の離脱作用がキツかったことはさすがに覚えている。あとは・・・仕事帰りに歩けなくなって、河原でコーラを飲んだことが何故か思い出されるのだけど、他にもっと大事なことあるでしょ? って記憶が、出てこない。
 六月に入院していた頃の体重が60kg台。四月の体重67kgを基準にして、一ヶ月ちょっとで10%以上の体重を失った計算だ。退院後には、検査結果に従ってあれこれ治療を試みたが、症状も体重も回復しなかった。で、やむなく離職。その後に病院から紹介された漢方医の先生のところで、「慢性疲労症候群」と診断された。

 体を休めつつ、しかし動ける時は動ける範囲で動かしながら、漢方薬の服用を続けているおかげで、先だって体重計に乗ったら67kgまで回復していた。慢性疲労症候群の特徴的な症状はまだ頻繁に発現するものの、その程度は明らかに軽くなっている。漢方すごいや。時間はかかるものの、ちゃんと効く。
 今服用しているのは、黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)をメインに、四物湯(シモツトウ)を少しと、柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)を時々。虚弱な体質を改善するものと、心身の緊張をやわらげるものを組み合わせている格好だ。
 これを服用していると、症状が出たとしても、ひどくならない。疲れが溜まるとぐったりすることもあるが、「10段の階段が上れない」とか、「平地をゆっくり歩いているだけなのに息が上がって仕方がない」なんてことはなくなった。
 体調には波がある。いい時には、ちょっとした山歩きも問題ない。今は、どちらかといえば体調の谷にいて、山歩きはちょっと無理かな。でも、日常生活に差し支えるほどの不調は最近感じない。

 素人の僕が勝手に言っていいことではないのかもしれないけど、何となく、体重が69kgまで戻ればすっかり元の調子になるんじゃないかと考えている。僕の場合、体重と体調のシンクロ率は高い気がするのだ。体重が増えれば好調になり、減れば不調になる。だから、減少前の体重に戻すことができれば、多分調子も元通りになるんじゃないかと。
 しかし、調子を崩してからどうも食が細くなってしまったようで、以前に比べると食べられる量が減った。去年の春まではしていた茶碗一杯ごはんをおかわりを、今はできなくなってしまった。ちゃんと空腹は感じるし、出されたものはおいしく頂く。でも、量が入らない。だから、中々太らない。
 一食あたりの量は増やせないのに、そのくせ、去年の夏に検査した低血糖に似た症状は今も時々あって、午前10時前後の時間帯に猛烈な空腹感に襲われることもあり、その空腹を放っておくと血液が全部水銀になってしまったかのような倦怠感がやってくる。そういう時は、甘いものを口にすることで空腹を癒やす。
 先だって、オケの練習中にこの空腹感がやってきた。糖分になるようなものを持っていなかったので、休憩時間に自動販売機でソーダを買って飲んだのだけど、どうも甘味料を使ったものだったらしく、全然効果がなくて困った。反応性低血糖を患っている人が、緊急時の飲み物を、「ダイエットじゃない、レギュラーのコーラ」に限定している理由がよく分かって面白かったけど、いやいや、大変だったなあ。

 あと、気絶するほど強い眠気に突然襲われたり、調子が悪い時には大抵ブレインフォグの症状が出ていて、判断力や記憶力が鈍っていたりすることがまだ時々ある。しかし、どの症状も、去年の夏から秋にかけての程度よりは随分ましになった。何もかも、蝸牛のごとき歩みではあるけれど、少なくとも改善する方向には向かっている。どうだろう、今年度末あたりには、すっかり良くなっているだろうか。なってるんじゃないかな。なっていてほしい。

 すっかりよくなったら、何しよう? ああそうだ、まず仕事、仕事探さなきゃ。何の仕事しようかな。何だったらできるかな。今から考えておこう。