笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

真武湯

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 先月の一番寒かった頃、体が冷えて仕方がなかった。確か、去年もそうだった。で去年はジンジャーシロップを作って、マテ茶に入れて飲んでいたっけ。今年も作ろうかなと思いつつ、しかし去年ほどは冷えないので迷っていて、そのことを普段お世話になっている漢方のドクターに話すと、「別のお薬試してみます?」という話になった。
 慢性疲労症候群の僕は、黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)という薬を服用している。そろそろ一年ぐらい服用を続けていて、これを飲んでいる限りにおいてはほとんど問題なく日常生活ができる。体調がいいと、時々飲み忘れることもあって、以前は飲み忘れてるとすぐに体がダルくなったものだが、ここ半年ほどは、一度か二度飲み忘れるくらいなら体調にはほとんど影響がなくなってきた。
 なので、ちょっと試しに黄耆建中湯を中断して、代わりに真武湯(シンブトウ)という冷えを改善する薬に換えてみようということにした。

 食前に黄耆建中湯を飲んでいたのを中断して、真武湯にさしかえてみると、ああなるほど、確かに冷えの症状は改善された。ぽかぽか暖かい・・・とまではいかないが、体の芯から震えがくるような冷えの感覚は軽減される。いいじゃん、真武湯。
 しかし、二、三日は問題なく過ごせたのに、だんだん怠さを感じる日が増えてきて、その程度も強くなってきた。そして、一週間ほど経つと、慢性疲労症候群を患った当初のような、徒歩での移動中に立ち止まらずにはいられないような倦怠感を、また感じるようになってしまった。
 これでは困るのでクリニックに駆け込み、また黄耆建中湯を出してもらいました。
 漢方薬って、体にあえばちゃんと効くのが凄いなとは思うのだけど、使ってみないとわからないってところがある。使ってみて、あわなかったら換える。その作業を繰り返して、体や症状にあうものを探っていく。真武湯がなにか根本的な解決につながればいいなと期待して、チェンジしてみたけど、ダメだったなあ。あーあ。

 慢性疲労症候群を患うようになって、そろそろ二年が経とうとしている。症状が軽くなってきているのは間違いない。でも、今回のような経験をすると、まだまだ根治には遠いなとも感じる。なかなか、しんどい。
 先のことは分からないけど多分、この症状とは長い付き合いになるんだろうなあ。とすると、今の僕の残存能力が何で、逆にできない事は何で、っていうのをきちんと整理して、先のことを考えなきゃいけないなって、最近はそんなことも考えるようになってきた。人生の方向転換、微速前進、面舵いっぱい。患う前に考えてきた人生航路を進み続けるのは難しいだろう。新しい進路を考えなければいけない。

 そうは言っても、まだそんなに悲観はしていないんだけどね。とりあえず黄耆建中湯を使ってさえいれば、心身に大きな負担のかからないことなら健康な人と同じようにできるわけだし。これはきっと・・・ペースダウンして生きろよってことだ。二十代なんて、全力疾走だったしね・・・きっとそうだ、のんびりやろう。