末っ子が、幼稚園を卒園した。同時に、僕と妻も、親としての幼稚園を卒園した。もう他に子どもをもうける予定はないので、今度幼稚園にかかわるのは、じじぃとばぁばになる時だ。お世話になりました。
卒園式の日、せっかくだからちょっと良いモノを食べよう、ということになった。ハンバーグ、おすし、オムライス・・・息子にとって「いいモノ」はたくさんあるが、今回は「そばがいい」と息子は宣うた。うちの子はそろってそば食いで、安物の乾麺でも、十割そばでも、そばを食わせて文句が出たことはない。へんなの。ま、おいしいけどね。
そういう事情だったので、妻と相談し、酒心館の「さかばやし」に行くことにした。
関東暮らしの長かった僕だが、食事に関しては基本、関西の方がおいしいと感じる。しかし、ふたつだけ例外があって、それはうなぎとそば。僕が店を知らないだけなのかもしれないが、このふたつだけは、関東の方が安くて美味いと思うのだ。でも、関西で僕の知っている範囲で、ここのそばは関東で食ったそばに匹敵するうまさだ、と言える店のひとつが、「さかばやし」。
酒心館に来るのは久しぶりだ。以前は日本酒を買いによく来ていたけど、コロナの始まった頃に僕の中で日本酒ブームが去って、それからほとんど来なくなってしまった。一番最近ここに来たのは去年、長男が小学校に入学した時だ。その時も、そば好きの長男が「そばを食べたい」と行ったので、「さかばやし」に来たのだっけ。
節目ふしめで訪れる「さかばやし」のそばは、つやつやと美しく、美味しい。息子たちも喜んで食べる。美味しいだけではなく、それなりに量もあって、ケチくさくないところもいい。最後にちゃんとそば湯が出てくるのもいい。最高だ。
数年前から来ているが、味もメニューもほとんど変わりない。あれ、でも、いつも食前に出してくれていたそばチップがないなあ。物価高で、出せなくなっちゃったのかな? 残念。あれ、好きだったのに。妻も同じ事を感じたらしく、「そばチップ出てこなかったね」とがっかりしていた。
そのそばチップ、確か酒蔵の物販の方で売っていたはずだと思って、買って帰ろうと、食後にそちらへ寄った。うん、絶対売ってるはず、買ってかえったことあるもん。しかし、いくらさがしても、棚に並んでいない。おかしいな、そんなはずないんだけど。おそるおそる店員さんに確かめると、今は売っていませんとのこと。えええ・・・マジっすか。
そばは美味しかったが、楽しみにしていたメニューが消えたのはショックだ。注文すれば出てきたのかなあ? そうかもしれない。気がつかなかった。・・・いや、出してくれると思い込んでたんだよ。こっちの勝手だけど。
仕方がない。また来た時には、そばチップ、ちゃんと注文しよう。今度来るのは、いつだろう。長女の小学校卒業の時かな。それほど遠い未来のことでもない。楽しみにしていよう。