笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ヤナギサワ・クラシックモデル AC140

f:id:sekimogura:20240411121014j:image

 

 ヤナギサワのアルトサックスを買った。日本でサックスを買うと大抵、たくさんの付属品がついてくる。しかし例えば、ケースがついてくるなんていうのは、日本に住んでいる僕には当たり前のように感じるが、海外ではケースは自分で別に買う物なんだってさ。個人的には、ケースは別売りの方がいいかな。ま、ついてくるものを断る気もないけど。

 ケースの他には、マウスピース・リガチャ・マウスピースキャップ・ストラップ・コルクグリスが付属するのが一般的だろうか。クロスやスワブもついてくる、というパターンもある。メーカー出荷時に付属しているものもあるし、お店が独自にサービスでつけてくれるものもある。初心者ならね・・・いいことなんだろうけど、僕はすでにテナーを持っているので、大抵のアクセサリはすでに所有している。コルクグリスとか、そんなに何本もいらないってば。ま、ついてくるものを断る気もないけど。

 まあでも、せっかくついてきたのだから、使えるものは使うことにする。ストラップはケースに入れっぱなしにするのが僕の習慣なので、ヤナギサワについてきたストラップはそのままケースに入れておいて、使用することにした。コルクグリスも、楽器が新品のうちはネックコルクが硬いので大量消費する。これもケースに入れておいて、贅沢に使うことにしようかな。
 あと、マウスピース。
 これはね・・・使うんだけど、レギュラーメンバーにはしない。中学生に教える時だけ使う、ピンチヒッター役になってもらう。僕は普段、ジャズなどの音楽に使うことを前提にしたオープニングの広いマウスピースを使っているのだけどこれは、音が大きいし、(誤解を承知で言えば)ベンドをきかせるためにあえて不安定な設計になっている。このマウスピース、クラシックでは逆に使いにくい。だから、クラシック向けに、オープニングの狭いローバッフルのマウスピースが欲しかったんだよね。
 ヤナギサワのアルトサックスに付属してくるのは、AC140という品番のラバー製マウスピース。ホームページを見ると、「クラシック・モデル」というラインナップになるようだ。ヤナギサワのラバー製マウスピースにはもうひとつ、「エボナイト」というラインナップがあるが、同じオープニングとフェイシングの製品があるものの、品番ロジックも違うし、内部設計に差があるのかもね(知らんけど)。僕としては、クラシック演奏が目的なので、AC140で問題なし。

 さて、どんな音がするのかな。
 試しに、普段使っている青箱2.5をつけて吹いてみる。・・・狭っ! 息が全然入らない。僕は普段、1.8~2mm程度のオープニングのマウスピースを使っているのだけど、このAC140のカタログスペックは、その名の通り、1.4mm。クラシックのプレイヤーって、こんなに狭いマウスピース吹いてるの? 僕には無理だ・・・と思いつつも、しばらく吹き続けると、少し慣れた。時間をかければ慣れるもんなんだね、人間って不思議。
 そして、慣れはしたのだけれど、うーん、やはり狭い。そして音量が出ない。音量を出そうとして圧をかけると、リードミスがおこり、フラストレーションがたまる。音色もイマイチ。リードが薄すぎるのかもしれない。だって、2.5だもんなあ。クラシックの人って、青箱の3とか3.5を使っているイメージがある。
 後日、ばら売りの青箱3と3.5を買ってきて、試してみた。おっ、いい音するじゃん! やっぱりマウスピースって、リードやリガチャを含めた全体のバランスが大事だよね。3.5だと、倍音がしっかり乗った音色がする。3では、3.5に比べるといくらか音色がたよりない。でも、コントロール性を重視するなら3でもいいかもね。そして、体の緊張を緩めて楽器の響きを自分の胸に引き込むと、音色に広がりが出る。コレだよコレ、クラシックサックスは! いいなあ、ユージン・ルソーみたいな音がする。素敵。

 リガチャには、やはり付属品だったヤナギサワを使うことにする。YANY-SIXではなく、仕掛けのない、普通のリガチャ。昔の「魔法のリガちゃん」にちょっと似てるけど、多分リニューアルしてるよね。少し形状が違うように思う。素直な音がするので僕的には好感度が高い。リガチャは、あまり味付けが濃すぎない方がいいと僕は思っている。なので、ヤナギサワに限らず、ヤマハセルマーの純正リガチャも、実は結構好きだ。ヤマハは二本締めなので、ちょっと手間がかかるのが面倒だけどね。そういう点でも、逆締め・一本締めのヤナギサワ・リガチャは、ちょうどいい。

 このマウスピースを使う機会がどれくらいあるかは分からない。しかし、「いつかは手に入れておかねば」と思っていたクラシック向きのマウスピースが手に入ったのは喜ぶべきことだ。ただ、慣熟のために練習をしないといけないのだけど、どれくらい時間とれるかな? どうせ練習するなら、メインで使うV16でやりたいしなあ。うーん、まあいいや、それはまた考えよう。

 新年度が始まっている。今年度お邪魔する中学校はまだ決まっていない。ひょっとしたら、お声がかからないっていう可能性もあるのかな? 今まで割と順調に、連続してお呼び出しを頂いていたのだけど、それって実はラッキーだったのかもね。
 ま、こちらとしては準備して待つしかない。とにかく、練習、練習。そして体力増強。症状改善のためにも、とにかく体を動かすようにしたい。