笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

プラクティスミュート

f:id:sekimogura:20231015093916j:image

 

 高校生のバンドにトロンボーンで参加させてもらうために、中古のトロンボーンを買った。トロンボーンの経験はあるけど、ブランクが長いので、その学校の楽器を借りたのでは本番までにスキルを取り戻せる自信がなかったからだ。手に入れたトロンボーンはさっそく活用している。とにかく、演奏会に間に合わせないとね。
 トロンボーンという楽器は、音がでかい。いやホント、オープンでは、絶対に自宅では吹けないね。フルートくらいなら日中であればご近所さんのご寛恕を願うこともできるけど、さすがにトロンボーンは苦情がくるだろうな。じゃあ家から持ち出して、人気のない公園だとかカラオケボックスだとか練習スタジオだとかで吹けばいい、ってことになるわけだけど、トロンボーンっていうのは音と同じぐらい、サイズもでかい。そして重い。トランペットやクラリネットほどには、気楽にお出かけに連れ出せない楽器だ。
 しかし、吹かないんじゃあ買った意味がないよなあ。というわけで、トランペットと同じようにプラクティスミュートを手に入れて練習することにした。

 僕は、トランペット用にはBEST BRASSのe-BRASS Jr.を持っている。これは、十数年前にトランペットを買った時に、一緒にそろえた。軽量で、十分な消音能力があるので、気に入っている。抵抗感や音程は、ちょっと苦しいところがあるけど、用途は筋トレ的な練習ぐらいのことだから、仕方ないかな、って感じ。
 その十数年前に、このe-BRASS Jr.を買った時には、僕はまだトロンボーンをバンドで吹いていて、やはり練習用に、ヤマハのサイレントブラスを持っていた。サイレントブラスはかなり優秀で、(全然影響がない、というわけにはいかなかったが)抵抗感や音程にはあまり影響が出ない。ただ、結構重くて、左手がとても疲れるのが難点だった。ミュート本体の中にピックアップが仕込んであるから仕方ないのだけど、ちょっと辛かったよなあ。ちなみに僕が使っていたのは旧モデルなので、現行モデルは僕の使っていたものよりも色々と良くなっていることだろう。
 そのサイレントブラス、そのバンドをやめた後にトロンボーンと一緒に処分してしまった。だって、ミュートだけ持ってても仕方ないもん。処分したことを今は後悔している。後悔は先にたたない。悔しいが、トロンボーンとミュートが再び必要となった今、新しく買うしかなかった。

 トロンボーン用のプラクティスミュートを選ぶにあたって、サイレントブラスをまず考えたが、高価だし、それに生音をモニターしながら練習する必要はないなと思ったので、違うものを検討することにした。トロンボーン用のミュートはね、とにかく軽いものがいい。重いのは、ツラい。そして、練習にならない。で、ググったりアマったりして結局、オクラミュートに決めた。
 届いた日に、さっそく使ってみた。ミュート本体は、コロンとした形状でかわいらしい。分解清掃できる構造になっているらしいが、それは後日。ボディ側面に野菜のオクラのロゴがプリントしてあって、これもかわいらしい。
 そして、さっそくベルに装着してみる。サイズはとてもコンパクトで、ベルの中におさまってしまう。そんな小ささもかわいい。重量も、軽い。もちろん、左手にかかる負荷や持った時のバランス感に全然影響がないってワケにはいかないけど、十分に許容範囲だと思う。
 さて、肝心の消音効果だが、よほど強い音で吹くのでなければ、また草木も眠るような深夜でなければ、気にせず吹けると僕は思う。なので、曲の気になるポジション運びを確かめるとか、アンブシュアの筋力維持のためのトレーニングをするくらいなら、全然問題ないだろう。抵抗感や音程にも深刻な影響はない。中々、優秀なんじゃないかな。

 よーし、これで自宅でもトロンボーンが練習できる、と思ったのだけど、実際に練習しようとすると、意外に困難であることが分かった。ミュートには問題はない。じゃあ何が問題かというと、スライドの長さだ。
 トロンボーン・・・7posiまで伸ばすと、結構長いってことはもちろん知っているけど、自宅で操作すると、思っていた以上に長い。狭小住宅の我が家で吹こうとすると、かなりギリギリだ。家具や壁にぶつかりそうになる。今回、7posiはあまり使わないけど、6posiのLo-Cは頻出する。
 こういう時、「あーテナーバスにしときゃ良かった」と後悔しそうになるわけだが、そんな金はありません。まあ、本当に必要になったら買うけど、今回はそういうトレーニングなんだと思って、Lo-Cは6posiで頑張ります。
 とにかく、本番までは毎日吹くようにしたい。プラクティスミュートは、そのために買ったのだ。払ったお金の分ぐらいは、活躍してもらいましょう。よろしく、オクラミュート。