笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

トランペットを洗う。

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 トランペットの練習をしている。5月に始めて、特別な理由がなけれは一日に20~30分程度のトレーニングをしている。
 ここのところ、楽器の汚れが目立つようになってきた。使ったあとのメンテナンスなんかはかなり丁寧にやっているつもりだけど、半年ほど使うとさすがに、汚れが蓄積してきた。でもまあ、まだ大丈夫かな・・・というレベルではある。しかし、何も用事がないという日が急にできたので、ちょっと洗おうかという気になった。

 レギュラーの楽器としてトランペットを演奏している人が、通常、どれくらいの頻度で楽器の洗浄を行っているのか、僕はよく知らない。違う楽器で、例えばフルートだと、年に一度、楽器屋さんに点検・調整に出すっていうのが普通だろうけど、木管楽器を自分で丸洗いすることはないからなあ。トランペットは、どうなんだろう。気になったら・・・って感じなのかな。分からん。
 でもやっぱり、年に一度くらいは丸洗いする方がいいんじゃない? とは思っている。以前、トロンボーンを所有して、準レギュラーの楽器として吹いていた頃には、そうしていたはず。僕が使っていたのはテナートロンボーンで、えらく簡単な構造の楽器だから、普段のお手入れさえちゃんとしていれば、そうそう汚れがたまることはなかったので、年に一度(ちょっとサボりがち)で十分だった。
 トランペットは、テナートロンボーンに比べると、いくらか複雑な構造をしている。具体的に言うと、ピストンとバイパス管の部分は、テナートロンボーンにはない構造だ。管が曲がっていたり、継ぎ目の段差があったりするわけだけど、やはりこういう所には汚れがたまるよね。そして、その汚れがどれくらい音響や操作に悪影響を及ぼしているのかはよく分からないが、しばらく放っておくとやはり時々、ピストンの動きに渋さを感じたり、音ヌケが悪かったりすると感じることがある。

 そういうわけで、お掃除しましょ。

 まずは、分解。バイパス管やチューニングスライド、そしてピストンなど、外せる部分は全部本体から外していく。外した部品は、傷がつかないよう、広げたクロスに並べる。
 ピストンは、フェルトのついているピストントップとピストン本体をさらに分解。目立つ汚れはないので、今回はフェルトは外さない。フェルト自体もへたっている気配はないから、交換もしない。ピストントップを外すと、スプリングとプラスチックの部品が自動的に外れる。このプラスチックの、ケーシングの中でひっかかってピストンの動きをコントロールする部品、なんていう名前なんだろう? これ、中学生がよく、分解清掃の後に嵌められなくなって困っている。上下左右の向きがあるので、気をつけなければならない。
 僕は、小中学生と一緒に楽器を洗う機会が今までたくさんあったので、ピストンの向きや順番を正しく見分ける方法を知っている。でも、これを知らないで分解清掃するのは危険だ。楽器に限らず、機械モノを分解する時は、あとでちゃんと組み立てられるように、部品の位置や向きをよく覚えておかなければならない。
 で、そのプラスチックの部品とスプリングを、せっかく取り外したので、目視点検。サビや摩耗はなく、いいコンディション。スプリングのヘタリもない。これも交換は必要なし。

 さて、分解が済んだら、流しに水を張り、洗剤を少量溶かして、そこへバラバラにしたトランペットを沈めていく。このとき、フェルトとコルクが濡れないようにしなければならないので、ウォーターキィのあるチューニング管とフェルトをかませてあるピストントップは、今回は洗わない。あと洗剤については、本当はブラスソープみたいな専用品を使った方がいいのだろうけど、僕は食器用洗剤で十分だと思っている。あとでよく水洗いしなければならないが。
 僕の場合、管内の汚れや水分は日頃、スワブで除去しているので、フレキシブルブラシを使わなければならないような汚れはないと判断し、指で届くところはやさしく手洗いし、管の奧は流水を流すだけにした。まあね・・・そんなに汚れてないんですよ、僕のトランペット。
 いやいや、最初に「汚れが蓄積」って書いたやないか、アンタ。ええとね、管の中は大丈夫なんです。じゃあどこが汚れてるかっていうと、ピストンケーシングの上下のネジの部分と、バイパス管の継ぎ手の段差のところなんだよね。なのでここは、ちゃんと洗浄します。指が入らないところは綿棒を使い、ネジは古いハブラシでやさしくブラッシング。あと、ピストンケーシング内には古いオイルと汚れを残さないよう、指の腹で優しく洗う。で、最後は流水にさらして、洗剤を残さないようにしっかり仕上げる。
 洗浄が終わったら、しっかり水分を拭き取り、オイルをさしながら組み上げていく。ああやっぱり、キレイに掃除した楽器は気持ちがいいな。ネジも素直に締まるし、ピストンの動きもスムーズになった気がする。

 お掃除、完了。

 基本が木管奏者である僕は、この金管の「丸洗い可能」という気軽さが羨ましい。たまにはフルートも丸洗いしたいと思う。もちろん、できないことはない。ただ、分解してキィをすべて外さないとタンポを濡らしてしまうので、自分ではできないのだ。従って、徹底的な清掃が必要になった場合は基本、リペアマンに依頼することになる。
 当然のことだが、人に頼むとお礼を払わなければならない。分解洗浄となると、数万円の出費になるので、結構フトコロに厳しい。あーもう、この際だから、金管奏者に転向しようかな、なんて思ってしまう。
 僕の所有する木管楽器、テナーサックスはそろそろオーバーホールしてもいい時期。ああ、フルートも定期点検の季節だな。演奏のスケジュールとの兼ね合いをとりながら、修理の依頼をして、お金を用意して・・・うーん、やっぱり金管奏者になるのがいいだろうか。
 しかしな、木管には木管の魅力があるし、僕が一番自由に表現できるのはやはりフルートだし、やっぱり木管もやめられない。何とかするしかないね。

 とにかく、これでトランペットはキレイになりました。また練習がんばろっと。