笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

六甲八幡宮


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 パンデミックの影響で今年は、初詣さえ自粛ムードだ。
 空いていそうなタイミングを見計らって、お賽銭ぐらいは投げに行きたいなあとは思っている。でもできれば、初詣と言うからには、大晦日から三が日の間に行きたい。まあ、今年は我慢かな。妻とは「一月末ぐらいに行こうか」なんて話している。

 先だって、用事があって阪急六甲に行った。雨だったので車で行き、六甲の八幡さんに駐めて用事を済ませた。ついでに、早めの初詣のつもりでお賽銭を投げてきた。境内は新年の準備なのか、掃き清められたり、篝火を炊くための準備が進められたりしていて、そういうのを見ると、ああ年末なんだなあと思う。
 二十代の頃、僕はほとんど毎年のように、この八幡さんに初詣に来ていた。
 その頃僕は横浜に住んでいて、年末年始は一週間にも満たないわずかな期間だけ神戸に帰省するのが習慣だった。何のための帰省かと言うと、懐かしい仲間の顔を肴に酒を飲むためだ。家には居着かず、毎夜毎夜飲み歩き、飲む相手がいなくなったら横浜に戻る。当時僕は、毎年年末をそんな感じで過ごしていた。

 大晦日に会うのは決まって、予備校時代の友人だった。
 二人の女の子で、僕たちの共通点は予備校で友人を作ることに積極的でないというその一点に尽きたのだけど、その矛盾した理由が僕たちの仲を取り持った。彼女らとは、人生の折り返し地点を過ぎた今でも交際がある。
 十二月の半ばになると、「今年はどうする?」なんて誰かが言い始め、特に用事がなければ大晦日の日暮れ過ぎに阪急六甲のバー「トップシックス」に集まることが決まる。三人集まることもあれば、二人だけのこともあったし、何度か不開催に終わったこともあったと思う。でもほとんど毎年集まってたんじゃないかな。
 まずバーで飲みながら今年一年の出来事の報告をしたり来年の抱負を語り合ったりした後、近所のお寺の鐘撞きに参加し、その後、八幡さんに詣でるのがいつもの流れだ。
 僕は子どもの頃、祖父が熱心な仏徒だったせいで、初詣だとか夏祭りだとか、そういう神社関係の行事に行かせてもらったことがなかった。市の花火大会さえ嫌がられた(なんでだろう?)。唯一経験したのは、通わされていた幼稚園から参加する秋祭りの鼓笛隊ぐらいだった。だから、成人する年齢を過ぎて彼女らと初詣に来るのが、僕にとってはとても新鮮なことだった。

 今はもう、それぞれに住む場所も違うし、生活も違うので、彼女らに会うことは滅多にない。そのうち一人とは秋に会ったけど、もう一人の方は四、五年顔を合わせていない。元気でやっているとは聞いているけれど、たまには会って顔を見ながら話をしたいものだ。

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