笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ぼっかけそば

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 ポストには色々な広告がはいる。ほとんどが不動産だけど、ピザとか何かの教室とか美容室とかがはいることもある。基本、全部捨てるが、大量の広告にまぎれて大事な手紙が届けられていたりするから、一応確認するわけだけど、その中に先だって、ぼっかけそば屋さんのチラシがまじっていた。

 ぼっかけそばが神戸の名物だなんて言い始めたのは、いったいいつ頃だろう。B級グルメに注目が集まっていた頃なんだろうなと想像するけど、確かではない。僕が子どもの頃に、ぼっかけそばが神戸の名物だなんて話は聞いたことがなかったような気がする。だから、一度も食べたことがない。
 そのぼっかけそば屋さんのチラシに割引クーポンがついていたので、試しに食べてみることにした。

 三宮センタープラザの地下、エスカレーターを降りてすぐの所にある「長田本庄軒」。いつも行列しているこの店が、ぼっかけそばのお店だということは知っていた。しかし、行列が苦手な僕は、行列しているという理由だけで、利用したことがなかった。待たされるのは嫌いだ。でも、B級グルメは好き。だから、いつかチャンスがあったら寄ろうとは思っていた。そのチャンスが巡ってきたわけだ。そう思うことにした。
 なるべく並ばないで済むように、11時台に着くようにでかけたのだけど、すでに行列ができている。普段なら、この時点でスルーする。しかし、今日はぼっかけそばを食べると決めて、このためにやってきたのだ。だから、意を決して、行列に並ぶ。
 店のシステムは、いにしえの家系ラーメンのように、カウンターをいくつかのブロックにわけて、そのブロックごとに客を入れ替えていくシステム。結局これが効率いいんだろうなあ。でも客としては、ブロックが全部空席になるまでは座らせてもらえないので、できればやめてほしいのだけど。まあいいや。

 カウンターは、ほぼ全面が鉄板。自分の順番がまわってきて着席すると、めっちゃ暑い。この感覚、懐かしいなあ。子どもの頃に時々つれていかれたお好み焼き屋がこのスタイルだった。顔面が油っぽく熱せられる感じが、鉄板らしくていい。
 調理は目の前でしてくれる。で、作ったものを自分の前にスライドして提供してくれる。このスタイルも懐かしいね! 鉄板料理はこうでなくちゃ。で、アツアツのぼっかけそばを、ヘラと割り箸で取り皿に移しながら食べる。うまい。B級グルメらしい味の濃さが最高。ビール欲しかったけど、午後から中学校に行く予定だったので、我慢。食べ薦めていくうちに、鉄板にくっついている底の方の麺が焦げてパリパリになり、それもうまい。ああ、やっぱりビール欲しいなあ。

 目の前で調理してくれる様子を、ふたつ隣りに座った若い女性のお客さんが携帯で撮っている。SNSにあげるのだろうか。韓国語で話しているので、観光客なのかもしれない。コロナに対する警戒感もずいぶん薄れてきて、だけど感染者数も増えていないので、これから観光で来日する人が増えるのかもしれないね。そういや、中学校の卒業式はマスク無しって聞いたなあ。色々なことが、コロナ以前に近い対応に変わってきているのを感じる。いいじゃん、いいじゃん、みんなぼっかけ食べにおいでよ。日本の鉄板焼き文化、ぜひ味わいに来て。


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