笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

VOX AmPlug2 Cabinetと9V電池

 

 EWIを夜中に吹く習慣が続いている。
 EWIは電子楽器ではあるが、通常の楽器と同様、多少の修練を必要とする。特に、左手親指で操作する、楽器背面のローラーが難しい。音域をコントロールするインターフェイスなのだけど、音域をシフトする時にローラーとローラーの間に親指をピタッと止めるのが大変。勢い余ってひとつ下の音域を鳴らしてしまうことがよくある。
 失敗する度に「あーやっちまった」とうなだれ、失敗したところをさらいこむ。すると、知らぬ間に30分たち、「もうちょい」と粘っていると、一時間ぐらい吹いていることも珍しくない。
 で、やはり電子楽器とはいえ、通常の楽器と同様、疲れる。
 特に疲れるのが、僕の場合は耳。これはEWIのせいというより、ヘッドフォンのせいかもしれない。オープンタイプのモニターヘッドフォンを使っていて、かなり軽量なものを選んでいるのだが、それでも疲れる。耳元で音がするっていうのが、僕はどうにも苦手なのだ。密閉感も嫌い。オープンなんだけどなー、やっぱりダメ。

 そこで、小さな卓上アンプを買うことにした。
 大きな音を出すわけじゃないので、2、3Wあればいい。なんなら1Wでもいい。でも、ちゃんとした音の鳴るアンプがいい。以前、オーディオ用のアンプをつないでいたことがあったけど、オーディオ用のアンプは音が薄く、楽器の音って感じがしない。だから、キーボードアンプか、少なくともギターアンプが望ましい。
 調べてみると、卓上アンプと言ってもピンキリで、10W近い出力の本格的なやつから、電池駆動のおもちゃみたいなやつまである。かなり迷ったが、おもちゃみたいな見た目の割にはまともな音が出そうなVOXのアンプを選んだ。ホントは、もうちょっと大きなやつの方が音質的にも好ましかったのだけど、このVOXは重さが200gちょっとしかなくて、とにかく軽かったのが選んだポイントだ。カメラなんかでもよく言われるが、機材の軽さは正義。同じパフォーマンスなら、機材は軽いに越したことはない。

 電池を入れ、ミニプラグのケーブルでEWIとつなぐと、簡単に音が出た。VOXにつまみ類はなく、音量はEWI側で調節する。別売りのプリアンプを接続すると、そのプリアンプ側で調節できるようなのだが、今回は買っていないので、そういう運用になる。まあ、その方法でMAXまで音量を上げても音割れもないし、今はこれで十分だ。
 音は、なかなかいいんじゃない? 小さいながらも、芯のある音がする。変な倍音ものらない。雑音もない。いいよいいよ、これでいい。僕には十分だ。耳も疲れない。完璧。

 このミニアンプの電源は9V電池。四角い電池だ。これ、久々に見たなあ。ミニアンプの電源としては、割と一般的なようだけど、僕が最後に見たのは、20代の頃にトロンボーンの自宅練習用に買ったサイレントブラスに使った時だろうか。小学生の時におもちゃのラジコンのプロポにも使ったかな? まあ、滅多に見るものではない。
 もう少し大きめの卓上アンプでは、単3乾電池6本で運用するパターンがあるようだ。1.5Vを直列でつないで9Vだから、このくらいの電圧は必ず必要で、コンパクトさを優先すると四角い9V電池ってことになるんだろう。
 別売りのACアダプタも使えるが、せっかく小さくまとめるためにミニアンプにしたのに、煩わしいコードを増やしたくないので、当面は電池運用する予定にしている。ちなみに、このアンプにbluetooth機能はない。僕のEWIにもbluetoothがないので、これで十分。音の接続もワイヤレスにするなら、ギター用のトランスミッターを使えばいいみたいだけど、遅延の問題もあるし、今はなくてもいいかな。