笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

サックス調整・中音レの鳴りが悪いのは僕のせい

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 中学校の吹奏楽部を教えに行っているのだけど、ずーっと休みなく行っているわけではなくて、試験や行事があると部活が休みになるので、そういうときは僕もお休みだ。
 その中学校に行く時には時々、サックスを持っていく。サックスの生徒を教えたり、合奏指導をしたりする時に使っている。そのサックスの調整がそろそろ、耐えがたいくらい甘くなってきた。ファ#(テナーなので実音E)が鳴りにくいし、中音のレ(実音C)もなんだか暗い。だから、年始のお休みのタイミングで、近所の楽器屋さんに持っていって調整をお願いした。
 僕のテナーはセルマーのシリーズⅡ。ちゃんとノナカのネジがついている正規品なので、買ったお店以外ではあまりいい顔はされないにしても、大抵のお店で点検をうけてもらえる。横浜で買ったのだけど、まさか神戸から調整のためだけに持っていくわけにもいかないから、近くのお店でみてもらえるのは有り難い。

 楽器を預けて二日で調整完了。取りに行って試奏すると、とてもいい感じ。やっぱり、管楽器には定期点検が必要だね。
 問題だったファ#は完璧に改善されている。それ以外にも全体にバランス調整、注油をしてもらったようで、キィの動きもスムーズ。うーん、気持ちいい。初めて調整をお願いするリペアマンさんだったけど、いい腕をしていらっしゃる。
 しかし、中音レの・・・なんというか、ヌケの悪さ? は、あまり改善がみられない。少しは良くなったけど、レとレ#がモコッとした鳴り。

 この楽器、こんなんだったっけかなあ?
 太い息を入れて、ガツッと吹いても、パキッと明るい鳴りにはならない。まあね、鳴りにくい音ではあるのよ・・・それは知ってる。でも数年前に、真剣にサックスに取り組んでいた頃には、もうちょっと鳴ってたと思うんだけどなあ。中音レ以外の音は、キビキビ演奏できる。でも、中音レだけはダメ。

 他の音はいいのだから、これは僕の問題だ。結論。錆びているのは楽器ではない、僕の腕の方である。
 まあ、楽器の方にも問題はあるのかもしれない。でもそれは調整とは別の問題だ。つまり、十分にヌケてないってこと。あるいは、ラッカーの剥離がすすんでいるので、バランスが変わってヌケが悪くなったって可能性もある。
 こういう時は、徹底的に吹き込んで、まず楽器をヌいてやる必要がある。また、その作業をすることによって、プレイヤーも鍛えられる。
 どれくらい吹くかというと、レとド#の音色が同じになるまで。空気の共鳴柱が短いド#と、共鳴柱の長いレとは、どうしても音色に差が出るのが普通。しかし、この継ぎ目で音色をそろえておくというのは、とても大切な作業だ。金管楽器であれば、倍音の継ぎ目(例えば、低いドとド#。ドは第二倍音で、ド#は第三倍音に属する。共鳴する空気柱の長さも、当然違う)で同じ事をしなければならない。
 時間のかかるトレーニングだ。でもねー、やると確実に上達するんだよね。僕は高校生ぐらいの頃に、フルートでやった。超絶めんどくさい。時間かかるし、なかなか達成できない。でも、半年ぐらい取り組んでいると、「お、これは、仕上がったんじゃん?」って気づいちゃう日が来る。必ず、来る。だから、その日がやってくるまで、頑張り続ける。来る日も来る日も、「ド-、ド#-、レ-・・・。レ-、ド#-、ド-・・・」って無心に吹き続ける。自分と楽器の根比べだ。

 一度ヌケてるはずだし、僕だって経験のないド素人じゃないし、今度は半年もかからないだろう。なんのご縁か分からないけど、こうやってまたサックスに触れるようになったのだから、この機会に練習をやりこんでおくのは多分いいことだ。ガンバロ。

 それにしても、調整とオイルアップのすんだ楽器は吹いてて気持ちいいな。頑張ろうって気持ちになれる。今度生まれ変わったら、楽器のリペアマンになりたいな。ほとんど本気でそう思う。手先が器用じゃないから、なれないかもしれないけど。