笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

文具祭2022

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 ある日妻が、「消しゴムハンコを作るイベントやってるよ」とスマホを眺めながら言った。唐突なので驚いたが、どうやら休みの日に子どもを連れ出す場所を探していたら、そういうイベントを見つけたらしい。娘が消しゴムハンコを作るのが好きなので、ちょうどいいと考えたのだろう。しかし、消しゴムハンコ作りのイベントなんてまたニッチだなあ、と思いつつ妻のスマホの画面をのぞき込むと、別に消しゴムハンコだけのイベントではなくて、文具全般を扱うイベントだと分かった。
 そのイベント、文具祭2022っていうんだって。ふーん、ハーバーランドでやるのか。よし行ってみよう。
 調べてみると、文具メーカーや神戸の大手文具店が集まって、展示会みたいなことをする行事のようだ。三菱uni、レイメイ藤井キングジムコクヨ・・・どの会社の製品も、ひとつは持っているなあ。何か新開発の商品でも見せてくれるのだろうか。わくわく。

 で、開催日の午後にハーバーランドに行ってみると、会場は大行列。おお、みんなそんなに文具が好きなの? 日常ではもう、そうそう手書きなんてしないだろう世の中なのに、まだこんなに文具のイベントに人が集まるんだね。素敵。行列は、長く見えた割には早く進んで、20分ほどで会場の中に入れた。
 内容は予想通りで、展示会のように各社がブースを構え、お客はそれを眺めてまわるような感じ。メーカーは展示だけで、販売店は福袋なんかを売っている。メーカーも売ればいいのに、と思ったけど、たぶん主催者からNGが出ているんだろう。そういうわけで、メーカーはサンプル品を配っている。僕もいくつかもらった。
 展示の内容は、別に新製品ってわけではなく、そこはちょっと残念。キングジムがいよいよポメラのDM300でも出してくるのかなんて期待していたけど、見当たらなかった。体験コーナーを設けているメーカーもあり、その中に消しゴムハンコもあった。ブースを出しているのは多分、レーダー消しゴムで有名なシードさん。
 わざわざ消しゴムハンコ用に、削りやすい消しゴムを開発したらしくて、なるほど確かに、未就学の末っ子の力でも、プラスチックの簡単な器具と爪楊枝でハンコを彫っていた。そんな商品があるんだね、面白い。

 いやあ、しかし、文具メーカーっていっぱいあるんだね。自分だって色んな会社の色んな製品を使っているくせに、全然気にしたことなかったよ。ニッポンの手書き文化の未来は、まだ当分明るいな。