笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

サンパル

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 三宮の東側、中央区役所一帯の再開発が行われるようだ。
 中央区役所は旧市役所跡地に移転されるらしい。勤労会館の機能の移転先は知らない。図書館はKIITO内に移されるとか。サンパルも取り壊しなんだって。
 サンパルに入居していたテナントは、すでにほとんどが引っ越してしまって、ビル内はシャッター街になってしまった。それでもまだいくつか営業している店舗がある。しかし、残りのお店ももう、夏を迎える前にどこかへ移動するのだろう。

 今日の時点でまだ営業している店舗のうちのひとつに、富士商会がある。文房具のお店だ。ここはよく利用した。今でも急ぎで欲しい文房具はここに買いに来る。今ではほとんど見かけなくなった町場の文房具店の、ちょっと大きいお店、という感じ。店内のほとんどの商品が二割引で販売されている。

 今時ネット販売なら、三割引だって珍しくないけど、反対に定価より高く売られていたり配送料がかかったりすることもあるので、一律に二割引という売値はわかりやすく、安心感がある。
 サンパルがなくなると分かった時、この富士商会がどこに移転するのか気になった。お店に寄った時にレジのところで店員さんに尋ねてみると、ほんの数十メートル先だと聞いて安心した。二階にあった画材屋さんは住吉の方に行ってしまったと知っていたので、もしかして・・・と不安に思っていたいのだ。
 僕が文房具を買う時、まずメーカーサイトで希望販売価格(いわゆる定価)を確かめ、次にネット販売での値段を確かめる。大抵、七掛けぐらいで売っているのだけど、欠品していたり、なぜかプレミア価格になっていたりする場合があって、そうすると僕は富士商会に行く。あと、ネット注文したのでは使いたいタイミングに間に合わない時も、頼りにするのは富士商会さん。

 サンパルには、いざって時に頼りになるお店、みたいな感じのテナントがたくさん入っていた。画材屋さんとか、ラケット屋さんとか。サンパルに入っていたお店で僕が利用するのは富士商会だけだったから、近所に移転なら大して困らないが、画材屋さんみたいに遠くへいってしまうお店のお客さんは、ちょっと大変そうだ。

 現市長、三宮駅周辺の再開発を強力に推進する意向のようである。それで街が活気づくなら、僕は別に反対はしない。でも、そのために小さな犠牲がたくさんあることは、心に留めておいて欲しいな。そして、だからこそ、神戸を素晴らしい街にしていただきたい。