笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

Nikon COOLPIX A1000

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 オミクロン株のコロナウィルスが猛威をふるっている。僕が吹奏楽を教えに行っている中学校で部活動は中止。僕の子どもの通っている小学校では学年閉鎖の学年があるようだ。それにしても、ものすごい勢いだな。以前に「一月あたりに第6波がくるだろう」みたいなことを書いたので予想はしていたけど、波の駆け上がり方がすごい。罹患者はまだまだ増え続けているところなのに、すでに第5波のピークを超えている。重症化はしにくいようだが、注意しなければ。
 そういう事態だから、人混みを避けて散歩をするのが日課になっている。少し前ならGRⅢをもってスナップ撮影を楽しんでいたのだけど、今は修理に出しているので、またまたNikonのA1000の出番だ。

 A1000は高倍率ズームを搭載したコンパクトデジタルカメラである。センサーは1/2.3型CMOS、倍率35倍のレンズ(35mm換算24mm-840mm相当)。A900というほぼ同スペックのコンデジの後継機で、現在はどちらもディスコン(廃版)になっている。A1000ではEVFが装備された。
 このクラスのコンデジは、もうどこの会社もほとんど手がけていない。売れないんだろう。よく言われるように、スマホの普及が原因だ。そりゃ、今時スマホなんて誰でも持っていて、その全部にカメラが最初からついてるんだから、単体のカメラなんかもう買わないよね。
 とすると、手軽に撮影を楽しむためのカメラであるコンデジは、スマホとの差別化を求められる。A1000は沈胴式の高倍率ズームを奢られて、望遠に活路をもとめた。近頃は中望遠クラスのレンズをもった複眼スマホをよく見るが、さすがに840mm相当までの望遠が可能だときいたことはない。狙いとしては悪くなかったと思うのだけど、ディスコンになってしまったということは、そこまでの望遠を求める人はそう多くなかったということだろう。

 運動会なんかには最適のコンデジのはずなんだけどなあ。

 そうそう、僕はこのA1000のことを「運動会コンデジ」だと思っている。広角域から超望遠域まで一本のレンズでズームができて、しかもピーカンでも撮りやすいEVF(電子ビューファインダー、要するに覗き窓)つき。画面をチルトしてハイポジションからの撮影も可能。動画もOK。録画ボタンが独立しているから、静止画/動画の切り替え不要でラクチン。もちろん、動画を撮りながら静止画の撮影も同時にできる。完璧じゃん。
 レンズが暗く、また小型センサーは暗所撮影に弱いので、残念ながらホールなどでの撮影には向かない。しかし、日中屋外での撮影なら、少々レンズが暗くても問題はない。テレ端の描写はちょいと甘いが、広角から中間域(中間と行っても400mm相当はある)ならニコンらしいカチッとした描写をしてくれる。手ぶれ補正もしっかり効くし、被写体を探すために一時的にズームアウトするボタンも便利だ。

 でも、ディスコン。売れない。そういうことなんだろう。
 じゃあみんな、運動会で活躍する子どもの姿の記録をどうしてるんだろう? 子どもの運動会に行くと、機材はひとそれぞれだ。僕と同じように大きなスチルカメラを持っている人もいるし、意地でもスマホで撮ろうとしている人もいる。小型のミラーレスや家庭用ビデオカメラってパターンもある。コンデジは・・・案外、少ないかもしれない。時々みかけるけど。
 つまり、機材の種類が多様化してしまって、まんべんなくニーズはあるのだけど、商品としてラインナップできるだけのセールスがあがらないってことなのかもしれないね。
 ニーズの多様化によってラインナップが縮小していくってのは、中々皮肉だ。

 まあ、かく言う僕も運動会は一眼で撮るのが基本で、A1000は非常用。そして、GRⅢを手に入れる前はライフログ的スナップに使っていたけれど、ライフログで超望遠は不要たし、APS-CセンサーのGRⅢの方が画質がいい(シャドウのディティールや画の立体感)ので、今では二軍のベンチウォーマーである。
 しかし、久々に毎日持ち歩いてみて、いいカメラだなあと思った。ズームができるっていうのは、やっぱりいいね。便利だ。「望遠があったら、あそこにあるあれが撮れるのに」っていう場面で、レンズ交換なしに望遠が使えるのは素晴らしい。しかも840mm相当がポケッタブル。便利すぎる。
 子育て世代なら、一家に一台、ハイズームコンデジ。ネオ一眼みたいなデカいカメラじゃなくてA1000みたいにスマートなやつを、ひとつぐらいカタログに残しておいてほしいなあと願う、冬の布引山にて、港を望みつつ。


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