笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

漢方薬


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 いわゆる西洋医学の文脈から、僕に施せる治療はもうないらしく、「漢方を試してみますか?」と総合内科のドクターに提案され、飲み続けている。
 漢方薬・・・今までも、何度か処方された経験がある。僕は眩暈もちで、メニエールの診断には至らないが、疲れがたまるとふらつきを感じることがあり、眼科の先生に相談したら漢方を処方されたことがあった。
 漢方薬というのはなかなか効果の実感しにくい薬だというイメージが僕にはある。十数年前、めまいを理由に飲んだ漢方薬も、数週間服用して「あー、なんか効いたかも・・・」みたいな感じだった。服用すると同時に、意識的に休みをとったり仕事を控えたりしていたので、それが漢方の効果だったのかどうかは分からない・・・そういう効き方だ。そして、神大付属病院で処方された漢方薬も、一ヶ月飲んでみて、「効いた・・・のかな?」みたいな具合である。
 風邪をこじらせて寝込んだりもしたので、二ヶ月ほどの間、ほとんど自宅から出なかった。そういう病人らしい生活をしながら漢方を飲み、感じる倦怠感の程度や頻度は、だんだんにましになってきている。だけど、それが漢方の効果なのか、体を休めたせいなのかは分からない。
 しかし、休んでいる間に、LINEで高校時代の友だちと話していると、彼の会社の後輩に、僕と同じような症状を呈した人がいて、その人は漢方を使って治したと聞いた。
 そうか、漢方は効果があるんだな。
 通院日、神大付属の総合内科のドクターに、「漢方で治してみようと思う」と相談してみると、神大付属に漢方外来で時々いらっしゃる先生が新神戸で開業していらっしゃると教えてくださった。紹介できるけどどうします? と問われたので、紹介していただくことにした。
 翌日に予約をとって診察をうけた。神大付属のドクターからは「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」という漢方を処方されていたが、それは飲み続けることにして、もうひとつ「四物湯(シモツトウ)」という漢方薬を処方された。
 で、半月ほど飲んでみたら、あら不思議、減少したまま全然回復してこなかった体重が、あっという間に二キロほども戻った。大したもんだ。漢方以外にも自分なりに心がけていることもあるし、一概に漢方のおかげとはいえないのかもしれないけど、全然効果がないってことはないだろうと思う。体重がもどると、午後に突然ずどんと体が重くなる倦怠感も、ほとんど感じなくなった。嬉しい。

 倦怠感はなくなったのだけど、すると、長期間にわたる運動不足のせいか、散歩や買い物で歩くと、疲れを感じるようになった。筋力が落ちているのだろう。二ヶ月ほどもほとんど出歩かなかったのだから、仕方のないことだ。これからは運動する時間を増やして、体力の増強に努めようと思う。
 原因が何であれ、調子が上向いてきたのは、本当に嬉しい。まだガシガシと仕事ができるほどの自信はもてないけど、少しずつ活動量を増やしていって、春ぐらいには以前と同じ調子で動けるようになりたいな。まあ、調子に乗るとまた、がっくりきてしまいそうな気もするので、少しずつ、少しずつ、ね。