笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ノエビアスタジアム神戸


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 僕にスポーツ観戦の趣味はない。野球もサッカーも観ない。神戸よりも小さな街に居を構えている知り合いからは、せっかく神戸に住んでいるのにもったいない、と言われる。神戸には野球場もサッカー場もあるのに、というわけだ。そうは言われても、関心がないのだから仕方がない。
 そんな僕がノエビアスタジアム神戸に来たのにはわけがある。コロナのワクチン接種だ。半月ほど前までワクチン不足のために接種予約がとれなかったが、やっと予約受付が再開された。僕は40代、神戸市で予約可能なのはノエビアスタジアムで接種可能なモデルナ製ワクチンだけである。それでも接種してくれるのだからありがたい。本当は金曜の夜がよかったが、8月中の金曜日はもう予約がとれず、木曜日の仕事上がりにバスに飛び乗り、接種会場に向かった。

 兵庫区和田岬の先端付近に、ノエビアスタジアムは建っている。
 この岬の付け根付近にあるイオンモール神戸南までは来るけれど、先端の方までは来たことがなかった。僕の初めて訪れる土地。循環の市バスは、兵庫駅を過ぎるとどんどん乗客が減っていき、ノエビアスタジアムのあるバスの終点まで来たときには、乗客は僕一人だけだった。すごい最果て感。高いアーチで超える運河は、忘却の川か、三途の川か。運河の川面は凪いで鏡のようだ。美しい。
 バスを降りるともうすぐそこにスタジアムはあった。でかいなあ。横浜に住んでいた頃、仕事で時々横浜アリーナに行ったけど、どっちが大きいだろう。不時着した宇宙船のようにも見えるし、甲虫のお化けが眠っているようにも見える。
 スタジアムの周辺や中には、誘導のスタッフがあちこちに立っていて、道案内をしてくれている。彼らは学生のボランティアだろうか、みんな若い。みんな丁寧かつ親切に案内をしてくれるので、ワクチン接種までの流れはとてもスムーズだ。彼らの指示に従ってスタジアムの奥へ奥へと進んでいくと、いつの間にか接種ブースまで通され、一度も待たされることなく接種は終わって、気がつけば僕はもうスタジアムの外に出ていた。
 スタジアムの滞在時間は、ほぼ30分。そのうち15分は接種後の経過観察だから、本当にあっという間だ。経過観察の間には、また例のボランティアらしい若人が二回目の接種の予約までとってくれる。実に実に効率的だ。

 接種後の副反応が重いと噂のモデルナ製ワクチンだが、接種直後には何の問題もなし。しかし接種から三時間ほど経った頃から、筋肉痛のような痛みが出始めた。注射を打った方の腕を動かすと、上腕が痛い。僕が今回受けた接種はまだ一回目だけど、モデルナは二回目の副反応がひどいときいている。うーん、恐いなあ。でも、一回目をモデルナで接種した以上、二回目もモデルナにするしかない。二回目の予約は休日の前夜にした。これならある程度ひどくても、生活にはあまり影響しないからいいだろう。

 僕は仕事が終わってから接種に行ったから出来なかったが、日の高いうちにいくとスタジアムの中を少し見学できるようだ。スポーツ感染に興味はないけど、いや、興味がなくて普段はスタジアムなんて来ないからこそ、見学してみたかったなあと思う。二回目も仕事の後に来るので、また見学は無理だ。残念。
 サッカーも陸上も観ない僕だが、パンデミックが収束したらビールを飲むついでに試合を観に来てもいいかもしれない。子どもを連れてくれば、彼らはきっと楽しむだろう。そのためにも、このパンデミックを早く終わらせないといけない。そのためには感染拡大防止と、集団免疫の獲得。兵庫にはまた緊急自体宣言が発出される。早期収束にむけて僕のできることは、ワクチン接種ぐらいしかないわけけど、今日はちょっとだけ社会貢献できたかな。