笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

兵庫運河


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 ワクチン接種の二回目の日が来た。
 僕は前回、神戸市の大規模接種会場でモデルナ製ワクチンの接種を受けている。というわけで、二度目もモデルナを受けなければならない。モデルナの二度目の副反応はすごいらしいという話をよく聞くのでちょっと恐いが、まあ仕方ない。またノエビアスタジアムに向かった。
 今回は午前中に接種の予約をした。副反応がひどく出ると丸二日倒れることもあるらしいので、なるべく早い時刻に受けて、ぶっ倒れている日にちを短くしたかったからだ。その結果がどうだったかはまた別の記事に書くとして、この日は天気がよかったので車をイオンモールに駐め、兵庫運河を眺めながら歩いた話をしよう。

 先だって、いまだに根本的な解決方法のわからない体調不良のために仕事を辞めたのだが、数日がっつりと体を休めたので、体調は少し戻った。で、あまり体を動かさないでいると体がなまり、今度は筋肉量が落ちて別の病気になりそうなので、僕は少し体を動かしたかった。グーグルマップで調べると、イオンモールからノエビアスタジアムまでは1.7km、徒歩で22分と出る。それぐらいなら往復しても大丈夫そうだと思ったので、天気の良さに背中を押されて、歩いてみることにした。

 兵庫運河といえば、大輪田泊があったと比定される場所として有名だ。以前、NHKの「ブラタモリ」でも取り上げられ、現在の運河が古地図の形とあまり変わらないなんて言っていたっけ。歴史ある土地なのだ。そのせいか、寺社仏閣の多いこと、多いこと。法然上人が土佐に流罪になった際に書き残した名号石なんてのもある。ほんまかいな、とは思うけど、そう信じる人がいるなら、まあ、ほんまなんやろな。なむあみだ。

 運河のある街の風景は美しい。もっとも、フル活用されていた時代の運河を見たらきっとそんな感想は出てこないのだろうが、澄み渡った水路に船が浮いてるさまは長閑だ。ちょっと寂しささえ感じる。週に二度の祝日がある火曜日の朝は、車通りも人通りも少ない。近くに市場があるので時々ターレーが通る。それがやけに目立つ。
 ターレーというのは不思議な乗り物だ。あれ、電動なのかな。空荷だとそれなりにスピードが出て、法定速度を守って走るゼロハンぐらいの感じがする。航続距離がどれくらいあるのか知らないが、もし満充電で100kmぐらいいけるなら、あれに保安部品付けて日常の日常の足にしたい。ヘルメット着用なら電動キックボードよりは安全な気がする。

 それにしても静かな町だ。瀬戸内海へとこぎ出す船の拠点港だった頃は、きっとこんな風ではなかったのだろう。あるいは、神戸の重工業がもっと盛んだったころは、もうちょっと賑やかだったんじゃないかな。つまり昭和の時代までは・・・僕の実家の近くでも、小さな町工場が旋盤の賑やかな音をさせていた。螺旋、発条、シボリ、プレス、鋳物・・・神戸という町は、ずいぶん静かになったと思う。それがいいことかどうかは分からないけど。住まいを構えるのは、ちょうどいいかもしれない。

 普段、このあたりへ寄るといったらイオンへ買い物に来るだけだから、ゆっくり散歩することなんてなかったけれど、ふーん、こんなところだったんだ。ワクチンを打った帰り道、往路とは違う方から歩いて行くと、なにやら削り立ての木でできた建築物がある。まだ工事中だが、観光施設のようだ。なるほど、今は静かだけど、もうちょっと賑やかにしようってわけか。
 来年あたりは、また風景も雰囲気も変わっているのかも知れない。


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