笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

療休


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 会社から療休をもらって休んでいる。転職してわずか二ヶ月で療休をとらざるをえない状況になったことは、会社には申し訳なく思うが、この体調で仕事に出ても役に立たないだろう。情けない気持ちと不安が、埃のように降り積もる。心身ともに、辛い。

 検査入院で行った検査の結果が出るまで、しばらくかかる。それまでは自宅療養。症状としては、とにかく体がだるく、全身にほてりがあり、筋肉痛のような痛みがある。めまいのようなふらつきを感じる。体重は減ったまま戻らない。食べる量はキープしていて、これだけ体を動かさないのに体重が戻ってこないのは不思議だ。病院で処方されたコートリル錠というステロイドホルモンを補う薬を服用している。身体症状に明らかな改善が感じられれば効果ありと言えるのだけど、今のところ、劇的な体調の変化はない。
 副腎の問題を疑って検査入院したわけだが、似たような症状の出る病気を調べると、副腎疲労だとか機能性低血糖症だとかがヒットする。うつ病に似た症状が出るというのもあてはまり、これで決まりなんじゃないかと、なんとなく思っている。もちろん、ドクターの意見も聞いてみなくちゃだけど。
 体がだるく、動く気がしないしないので、基本、自宅で体を休めるようにしている。しかし、あまりにも動かないでいると気が塞ぐし、体もなまる。だからまず、朝は仕事をしていた時と同じ時間に起床し、きちんと朝食を摂って、出勤していた時刻までに一度家をでるようにしている。で、一時間ぐらい散歩したり自転車に乗ったりする。以前であれば、山に登ったりしていたのだけど、今はその気力も体力もないので、その辺の公園をぶらぶら歩く程度の運動だ。もし本気で運動したら、仕事をしていた時のようにバーンアウトしてしまいそうで恐い。
 自宅で休んでいるなら、本を読んだりすればいいのだろうけど、今の状態におちいって以来、集中力と記憶力が極端に落ちたようで、活字を見ても内容があまり頭に入ってこなくなってしまった。
 そうそう、この記憶力が落ちてしまった点については、本当に困っていて、職場から「五月の記録を出してほしい」と言われているのだけど、すでに心身共に疲弊していたこの一ヶ月間のことをほとんど思い出せなくて悩んでいる。入院中には、心療内科の先生に「近所のクリニックには、いつ、何回行ったの?」と尋ねられてすぐには答えられなかった。5分ぐらいかけてやっと、診察に二回行ったことと、その日付を思い出せた。思い出した時はほっとした。記憶は人格の一部だ。記憶が失われたということは、人格の一部を失ったに等しい。
 療休は職場や病院と相談の上、二ヶ月もらっている。この期間が僕の回復に十分な期間なのかどうか、今はまだ分からない。とにかく現時点では体調の改善が見られないので、ちゃんと僕の体が治るのか、そして仕事に復帰できるのか、不安で仕方がない。もし治らなかったらどうしよう、仕事続けられるのかな、辞めなきゃダメかな、などと、ネガティヴなことばかり考えてしまう。今はまだ悩んでも仕方がないと知りつつも、先のことを考えずにはいられない。しんどい。
 よくても悪くても、とにかく検査の結果が知りたい。