笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

わけわからん、ではダメ。

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 警備員さんが叫んでいる。
「もー、わけわからん! ここが、最後尾!」
 コロナでしばらく中断していたが、灘区の王子動物園では桜の季節になると、夜桜見物のために一部通路が夜間に解放される。何年かぶりかのことだったので、僕も久しぶりに見に行くことにした。で、行ってみたら、とんでもない混雑である。原田線というのだろうか、動物園南側の道路に沿った歩道に人があふれかえり、3重に折り返していた。
 なんじゃこりゃ・・・? 僕は新神戸側から徒歩でやってきて、動物園の駐輪場のところに立っている警備員さんが「ここが最後尾」と案内しているから、そこから列に合流したのだけど、列に従って進むに従い、僕の合流地点が最後尾ではなかったことに気づいた。しかし、列に加わってしたまった以上、抜け出そうにも抜け出せず、というのもあまりにもぎっちりと歩道に人が詰まっているのでどうしようもできなくて、仕方なく流れに乗って歩いた。そのまま王子公園駅の方に向かって進み、動物園の駐車場の入り口のところで列はターン。で、もう一度駐輪場の方(新神戸方面)に向かって進む。それから、もう一度駐輪場のところまで戻ったところからやっと、動物園の敷地内に入ることができた。
 おそらく、敷地内に入るところが狭くて、流入する人の数を捌ききれず、ボトルネック状態となり、歩道の混雑を招いたのだろう。

 これさ、危険だったんじゃない?
 そんな風に思ったのは、夜桜見物を終えて帰宅する夜道でのことだ。あの場に居合わせた見物客が、多少の不快感をこらえつつ秩序を守ったお陰で、何事もなく済んだけど、はっきり言って危険だったよね。
 こういう人混みを見ると思い出される事件は、明石の花火大会でのことや、韓国でのハロウィンでのこと。何とか列が流れていたおかげで最悪の事態は免れていたが、ちょっとでもつっかえたら、危なかったんじゃないかな。
 もちろん、対策はある程度とられていた。警備員は配置されていたし、人混みの整理にも一生懸命取り組んでいた。制服のお巡りさんもいて、彼らは何もしていなかったけど、非常事態になれば動くっていうスタンスだったんだろう。うん、対策はとられていた。
 しかし、十分ではなかった、というのもまた真実だろう。おそらくは予想を上回る人出にリソースが枯渇してしまったに違いない。そして、不測の事態はいつでも起こりうるという見通しは欠けていた。そして、その場合のための冗長性を確保した警備計画ではなかった。フェイルセーフの精神に欠けていた。そういうことだ。

 まあね、そういうことを言い出すと、有料にしてチケット販売するだとか、完全予約制にするだとか、そういう議論がおこって、フリーイベントの気楽さが失われてしまうことになるのだろう。けど、人命優先・安全優先の前提に立てば、それも仕方ないと僕は思う。「だったら行かない」っていう選択をするのも、またフリーなんだ。

 桜はとっても綺麗でした。できればまた来年も見たい。だから、警備員さんに「わけわからん!」と叫ばせない警備計画を立ててほしいな。市民からのお願いです。


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