笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

セレクトジャズ・アンファイルド・3M。

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 サックスで、ファットリップの練習をしている。
 樹脂リードだと、唇が滑ってうまく吹けないので、ファットリップの練習をする時には生リードを使っている。僕の定番は、バンドレンのZZ(黒箱)。JAVA(緑箱)とTraditional(青箱)の中間ぐらいの感じのリードで、青箱に近い反応のよさがありつつ、ややファットな音色が出せるのがポイント。僕がポピュラーしか吹かないなら緑箱でもいいのだが、クラシックをやることもあるので、少し繊細さがほしい。なので、黒箱は気に入っている。
 しかし、価格の爆上がりしている生リードを練習で消耗するのは悔しい。できれば、練習こそ樹脂リードでやりたいんだけどなあ。まあ、しゃあないか。いやー、でもなー、この10月にまた価格改定で、僕がストックしているリードの2~3倍の値段になっている。ストックが尽きたら、この値段でリードを買わなければならないと考えると、うーん、厳しい・・・。今あけているZZに張ってあった値札が、1500円台。次に封を切る箱は1800円台。現在、店頭に並んでいるのが4000円台。大事なストック、なるべく使いたくないぜ。

 そこで、ZZ以外のストックを使うことにした。
 そうなんですよ、ZZ以外のリードのストックがあるんです。それは、RicoのSelectJazz、アンファイルドの3M。これ、以前にZZと併用してたんです。今はダダリオ・ブランドになって、パッケージデザインも変わってしまったけど、僕がストックしているのはブランドネームがまだRicoだった時代のものの、最後期のやつ。
 横浜でジャズを習っていた頃、その時の気分や調子にあわせて、ZZとSelectJazzを使い分けていた。黒地にネオンサインっぽい文字をあしらった旧パッケージの頃からそうしていて、ZZよりも野太い音が欲しい時はSelectJazzを使うことにしていたように記憶している。ZZと比べると少し重いので、調子の悪い時には使えなかったが、音色はとても気に入っていた。
 現在は、中学生に教えている関係もあって、SelectJazzは全然使っていない。しかし、ストックは数箱ある。練習にはSelectJazzを使えば、人前で吹くのに使うZZを消費せずに済むなあ。よし、久しぶりに使うか、SelectJazz。

 未開封のSelectJazz、セロファンを切って箱を開けると、プラスチックの保護ケースに収まったリードが中で行儀良くならんでいる。そうそう、リコは個包装されてないんだよね。あの、お菓子みたいに個包装するのって、バンドレンが特許もってるんだろうか。衛生的にも安心なので、リコも個包装すればいいのにと思うのだけど、どうだろう。
 さて、吹くか。人前で吹くのではないから、当たり外れは気にしない。とりあえず一枚取り出して、咥える。おお、バンドレンと味が違う。リードの味って、あるよね。あまり語られないけど僕は、バンドレンは甘くて、リコはスモーキーだと感じる。懐かしいなあ、リコの味。買ってから10年以上たっていると思うのだけど、ちゃんとリコの味がする。
 ほどほどに湿ったところで、マウスピースにセットし、息を入れる。すると、ちゃんと鳴る(当たり前)。ああ、リコの音色も懐かしいな。この、少し重めの吹奏感も懐かしい。
 SelectJazz、シンリップでもファットリップでも、ちゃんと吹ける(当たり前)。問題ないね、とりあえず封を切ったこの一箱分は、SelectJazzでファットリップの練習をしよう。人前で吹くわけではないから、へたりきるまで使うだろうし、この一箱が夏まではもつかな。頑張りましょう。
 リコもいいリードだね。練習だけで使うにはもったいないリードだ。人前で披露する機会もあるといいのだけど、それはファットリップに十分慣れてからの話。