笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

トランペットを、頑張り続ける。

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 結局お前は何吹きやねん、と問われれば、一応フルート吹きで、時々サックスとトロンボーンも吹いて、トランペットとクラリネットも練習中と応えることになる。しかし、これだけ種類があると、それぞれの楽器にさける練習時間は十分にはとれない。体調の問題もある。まあ逆に、体調に問題を抱えているから、これだけ楽器に触る時間があるというのも確かなのだけど、調子がひどい時には楽器も持てないので、優先順位をつけて練習するようにしている。
 一番触っていない楽器は、クラリネットだな。違う楽器あがるステージの案件が立て込んだせいもあり、全然吹いていない。ま、仕方ないね。基本、木管吹きの僕なので、触っていなくてもある程度吹ける、というのも触らない原因かも知れないな。しかし、まだまだトレーニングが必要なのは事実。これから頑張りましょう。クラリネット以外に、ステージ案件にならない楽器は、僕の場合、トランペット。しかし、トランペットの方は毎日練習している。ミュートつければ深夜に自宅でも吹けるので、優先順位と関係なく練習できるのがトランペットのいいところ。木管はミュートできないから無理。そして、体調が悪かったり疲れていたりしても、バジングだけなら手軽にできるのもトランペットのいいところ。
 トランペット、中々上達しない。難しそうだなとは常々思っていたけど、やっぱり難しいな。しかし、トランペットはどうしても吹けるようになりたいので、時間がとれる時には一日に30分くらい練習し、それができなくてもマウスピースのバジングだけは毎日必ず続けている。
 とにかく、この小さいマウスピースを攻略できなければ、トランペットを吹けるようにはならない。逆に言えば、このマウスピースのバジングに成功できれば、トランペットは吹けるようになったも同然。一月ほど前に、自分が粘膜奏法に陥っていたと気づき、アンブシュアの大工事を行った。使える音域も鳴りも後退したけど、演奏の確実性は格段に向上している。
 まさか、アパチュアを閉じる方向に力をかける必要があったとは、フルート吹きの僕としてはコロンブスのタマゴ、驚き桃の木山椒の木である。必要最低限の力にとどめる必要があるようだが、ある程度アパチュアを閉じる方向に力をかけることで、力強い音がなり始める。これが分かんなかったんだよなー。だから上達しなかったわけか。そりゃあ、僕にはその発想はないよ。アパチュアは開ける、が基本のフルート吹きですもの。
 今まで、アパチュアを閉じる方向に力をかけたことがなかったので、僕にはそのための筋力がほとんどない。なので、高い音はまだ全然出ないし、すぐにバテてしまう。ならば、筋トレするしかない。現在はトランペットのボディを封印して、一日に15分程度のバジングに絞ってトレーニングしている。半月ほどやって、少し筋力があがってきたかな。アンブシュアを改造した当初はMid-Fがやっと鳴るだけだったけど、数日前に久々にボディをつけて吹いてみたらLo-E~Hi-Dまで何とか出た。
 この奏法だと、粘膜奏法ではあれだけ苦労していた倍音の境目も、バテない限りはかなり楽に越えられる。もちろん、アパチュアの操作なしで越えられるわけではない。しかし、息の向きの操作に応じて楽器が素直に反応するので、以前のように「なぜ吹けないのか分からない」という感覚はなくなった。吹けない時は、操作が悪いか、唇がバテているかのどちらかだ。
 そうそう、このね、唇の操作・・・以前に何かの教則本で、「トランペットの高音域は、息を下向きにする」と書いてあるのを読んで、ふーんと思っていたのだけど、これ、僕の感覚的には息の向きを変えると言うより、アパチュアを潰すっていう感じなんだよなあ。結果的には同じことなんだけど、当時は、分かったようで分かってなかったわけだ。なので、息を下向きにふろうとする時、以前の僕はフルートの低音域でやるように、顎を少し下げて吹くようにしていた。これだとね、ダメなんだよ。いやね、おかしな操作だとは思ってたんだ。そんな風にしてるトランペット奏者見たことなかったし。でも、トロンボーンの低音域で顎を前に張る感じの逆の操作だし、おかしいとは思いつつも、そんなもんなのかなあって、うん。でもね、ダメです。ダメでした。そういうことじゃなかったんです。
 まあね、説明しにくいところではあるよね。僕も、これを初心者の中学生にも「確実に」分かるように文章で説明しろって言われたら、考え込んじゃうもん。
 アンブシュアについてもそうだけど、楽器の奏法って、言葉で伝えるのは難しい。だからやっぱり、指導者に対面で教えてもらうのが一番いい。僕も最初は、フルートとサックスはプロの先生に教わったし、トロンボーンユーフォニウムは上手なアマチュアの友人にアドバイスをたくさんもらった。本当はトランペットも、教え上手な人について指導してもらった方がいいのだろう。ただ、今はちょっと時間がない。時間というか、教えを請うために、定期的に時間を割けるタイミングがないって感じかな。

 しかし、もしこれで奏法に問題がないなら、もうコツは掴んだことになる。あとは練習量の問題だ。とにかく、筋トレ、筋トレ。地道にやろう。うまくいかなかったら、それはまたその時。楽しく頑張りましょう。