笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

日本国憲法

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 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと務めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 

日本国憲法」 齋藤陽道 港の人

 

 僕は時々、本を買う。
 ネットで買うのと、実店舗に行って買うのが半々ぐらいだろうか。ネットで買う本は、最初から「これを買う」と決めている。でも実店舗に行く時は、「何かいい本ないかな」と出会いを探しに行く。そうすることで、自分の読書の領域を、自分でも予想外の飛び地に広げることができるからだ。先だって、実店舗の本屋を冷やかしている時に、写真関連のコーナーに「日本国憲法」という本が置いてあり、「なぜ写真関連なのに憲法?」と気になって買ってみた。出会ってしまったわけだ。

 この本、写真集・・・なのかな。憲法の全文に写真が添えてある。こども、おとな、おとこ、おんな・・・日本に生きる、多種多様な人々の写真。つまり、憲法の庇護をうける対象となる人たちの写真だ。
 結論から言えば、素晴らしい写真集だと思う。日本国憲法、僕たちが大切にしなければならないものだと分かってはいても、なかなか全文全条を通して読むことはできない。でも、飽きずに最後まで読めた。そして、憲法というものについて、ちょっと考えてみなきゃいけないよな、という気になった。

 参議院選挙が終わり、改憲に前向きな政党がかなりの割合を占める選挙結果となった。改憲にスポットのあたった選挙だった印象はないが、結果として、そうなった。改憲がいよいよ実現する方向へ議論が進むのだろうか。僕は別に、改憲に賛成でも反対でもない。日本人と、日本に暮らす人と、日本の周辺にいる人すべてが幸せになるならそれでいい。そして、もし憲法のために不幸せになる人が一人でもいるならば、そんな憲法はクソ食らえだ。
 今の憲法を読んでみて、どうだろう、「ここはもう、変えなきゃいかんよね」と思えるところはあるだろうか。第九条に関しては、僕個人としてはあまり変える必要を感じない。むしろ、このままでいいんではなかろうか。で、もし変えるとすれば、第二十七条なんじゃないかな。勤労の義務って、もうその発想、古くない? 義務がベースにあって、無理なら免除っていうんじゃなくてさ、義務なんてないけど、やりたいことがあればどんどんやりなよ、っていう方が、現代的でいいと思うよ。一発当ててやろうって気になるじゃん。

 まあ、おえらい人がどんな風に考えてるのか知らないけど、あなたも私も、どっちも幸せになれるように、よく考えてくださいね。