おしゃれなカフェでケーキを食べたい、と時々妻が言う。うん、たまにはいいんじゃない？ と僕が応える。じゃあどこに行こうか、と行き先の候補を挙げるとき、そのリストには大抵、マザームーンカフェが入っている。
以前には六甲のサザンモールぐらいしか行けなかったが、近頃はあちこちにできて行きやすくなった。店ごとに少しずつ雰囲気が違うけど、どこもおしゃれで、しかも子連れでもあまり嫌がられない。ケーキもおいしい。そして、男性の僕が食べても十分な食べ応えがあるくらいの量を切ってくれるのもいい。
今はあまりお酒のイメージのないマザームーンカフェだが、僕が最初にマザームーンカフェを利用したときには、ビールを頼んだ記憶がある。今はもうないけれど、大学生の頃には確か三宮のセンター街から一本路地をはいったところにお店があった。センター街は20時を過ぎるとほとんどのお店が閉まってしまうが、マザームーンカフェは20時を過ぎてもまだ営業しており、友だちと三宮で遊んでいて夜になって、まだ少し遊び足りないのだけどサンキタの方まで行って居酒屋に入るほどでもない･･･という時に、あのあたりでお店が開いているのは有り難かった。
先だって、家族ではなく、高校時代の同級生と国際会館地下のマザームーンカフェに入った。
彼とは、以前なら夜に待ち合わせて居酒屋のはしごを楽しんだのだけど、コロナのせいもあってなんとなく居酒屋から足が遠のき、代わりに休日の午後に喫茶店やカフェでおしゃべりをするようになった。今はもうコロナも収束してきているし、緊急事態宣言も解除されたから、また居酒屋に戻ってもいいのだが、何となくまだ恐いような気がして、夜の街を避けている。そして、なんかもう、これでいいって気持ちになっている。
