笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

加古川大堰


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 日岡神社に行ったついでに、寄りたい場所があった。それは加古川大堰。加古川をせき止める、大きな堰だ。
 加古川大堰は、堰であってダムではない。高さが、ダムと称するに必要な堤頂高である8mに満たないからだ。しかし、なのにダムカードが配布されている。以前一度もらいにきたことがあったのだけど、日岡神社まで来たついでに足を伸ばして、もう一度もらうことにした。
 日岡神社から北側へ川沿いに数分車を走らせると、加古川大堰の管理棟がある。管理棟の一階でドアホンを押すと、スタッフの方が出てきてカードを渡してくれた。
 カードには加古川大堰の情報が表示されている。「MB」は可動堰の意味。ダムの目的を表す「FNWI」の意味は、以下の通り。

F/洪水調節
N/流水の正常な機能の維持
W/水道用水
I/工業用水

 へえ、水道用水もここからとるんだ。確かに、堰の左岸側やや上流にUFOみたいな給水塔がある。後でそちらの方にも寄ってみたら、上水道設備とおぼしきものがあった。


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 メインゲート5門、調節ゲート2門、微調節ゲート2門、魚道ゲート2門。調節ゲートと微調節ゲートというのがどの部分なのかよく分からないのだけど、ゲートが二段構造になっているその上側が調節ゲートのことなのだろうか。堰の両脇にある細い水路が微調節ゲートと魚道ゲートであると思われる。ダムカードに記述はないが、ダム左岸側に1門、加古川本流から引き込んだ水路に小型の可動堰がある。これがひょっとしたら、工業用水の取水路なのかもしれないな。
 こういうのって、対応してくれたスタッフさんに質問すれば答えが返ってきたのかもしれないけど、ダムカードを渡してくれる窓口のコロナ警戒度が高く、スタッフさんを長く引き留めるのが何となくためらわれて、訊けなかった。
 僕はダムカードコレクターではなく、ダム訪問と見物の愛好家なので、カードを頂いた後にダムをじっくり眺めてまわった。
 川底に退席した土砂の撤去作業を行ってるらしく、川下側にできた砂州には重機がはいっている。その直上のゲートを全閉して安全を確保した上で作業していた。堰のあるあたりの加古川は平らな土地を流れていて流れがゆるやかだ。河川の堆積作用が強く働くのだろう、結構な量の土砂がたまっている。あれだけの砂を取り除くのに、どれくらいの期間が必要なのかなあ。二三日では無理そうに見えた。
 まず下流側からダム全体を眺める。川幅いっぱいに設置された加古川大堰、高さは低くても、立派なものだ。完成したのは1989年とあるから、そう古くはない。可動堰は金属製で、本体はコンクリート。これを堰と知らない人にはきっと、橋に見えることだろう。水はゲートを越流している。なので、下流側から見て露出している堰の高さが、上流側と下流側の水面の高低差ということになる。僕の訪れた日の様子だと、3メートルぐらいだろうか。
 主ゲートはすべて降りていた。そしてさっき書いたように、土砂撤去作業のためにそのうちの1門が全閉と思われる。微調節ゲートは左岸側だけ解放しているようで、堰の端から強烈な水流が放たれていた。近寄ると、微調節ゲートと魚道ゲートの水路が併走している様子が見えた。写真ではわかりにくいが、結構な水位差がある。堰ってすごいな。そして魚道の流れは穏やか。この穏やかな流れを、どうやって作り出しているのだろう。不思議だ。


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 それから一旦上流側へまわって川上から堰を眺め、その後、天端を歩いた。天端には空中からこの構造物が加古川大堰であることが視認できるように、大きく名称が書かれている。これ、数年前に来た時はなかったような気がするなあ。いや、あったっけ・・・うろ覚えで申し訳ない。天端からは、加古川の街が一望できる。美しい。

 新しくダムカードをもらったので、僕の手元にある加古川大堰のダムカードは二枚になった。ダムカードを配布しているダムを訪れる時はなるべくもらうようにしているので、僕のカードケースにはダブりのダムカードがいくつかある。
 加古川大堰のように、ダムのすぐ近くに管理棟があれば、ダムカードはすぐにもらえるのだけど、残念ながらそうではないダムもある。たとえば、丹波篠山市のみくまりダムだと、ダムから数キロ離れた市役所までもらいにいかなければ手に入らない。無料で配布してくれているのだから文句を言うものでもないのだけど、やっぱりダムのすぐ近くで手に入った方が有り難い。管理者には、何か工夫をしてほしいところだ。あと、せっかく訪問したのだから、訪ねた日を記入できる欄なんかがあるといいな。

 子どもができてから忙しく、好きだったダム巡りを何年もしていなかった。なので、久しぶりに遠くのダムを訪問できたのは嬉しかった。体調はまだ十分には戻らないけれど、リハビリを兼ねて、またダム巡りをしてもいいかもしれない。県外は難しいけど、県内なら、何とか。チャンスがあれば淡路島のダムを巡ってみたいと思っている。
 うん、巡ってみたい、すごく・・・行けるかな?