笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

PIZZA HOUSE PINOCCHIO


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 そこでこの読本の唯一の教訓はこうである。伝達ではなく、表現の文章を綴ろうとなさる方は、各自、自分用の文章読本を編まれるのがよろしい、と。そのためにはやはり、表現のために書かれた文章を数多く読まなければならないが。

 

「自家製 文章読本」 井上ひさし 新潮文庫

 

 僕は、かの有名な、「PIZZA HOUSE PINOCCHIO」にまだ行ったことがない。
 お店の前は度々通る。多分、年に二三度は通るんじゃないかな。でもどういうわけか、そのタイミングではいつも、お腹が空いていなかったり、用があって急いでいたり、行列ができていたりして、入店の機会を逃してばかりいる。いつか立ち寄って、開店以来何枚目かの記録を自分の胃袋に納めたいと願ってはいるのだけども。
 ご存じない方のために申し上げておくと、このお店は神戸ゆかりの小説家、村上春樹氏の作品に登場するピッツェリアで、ノーベル賞が発表される時期になると、氏の受賞を待ちわびるファンがここに集ってその行方を見守るらしい。その様子は毎年テレビで報道される。氏は今年も受賞を逃した(逃した、という表現が氏の気持ちに添ったものかどうかは疑問だが)ので、次回のノーベル賞発表時にもまた、テレビにこのお店の様子が映ることだろう。
 知り合いに「食べたことある」という人がいて、味の感想を聞いたら「普通だよ」と返事がかえってきた。いつも行列しているから、普通においしい、という意味なのだと思う。まずいピザ屋に行列はできまいし、商売が何十年と続くはずもない。そうなると、やっぱり食べてみたい。いつになるかは分からないが、必ず行ってみよう。