笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ラーメンが、無性に食べたい。

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「わかっている筈だ!! ママの食いわずらいを止めるには その食べ物をさし出す他ない!!!」

 

ONE PIECE」 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス

 

 先だって、王子動物園の夜桜を見に行った。
 その帰り道、お腹がすいたので、そういえば近くにもっこすラーメンの王子公園店があったと思い、寄ることにした。もっこすラーメン、しばらく食べてないなあ。最後に食べたのはいつだったっけ? ちょっと思い出せないけど、1年以上食べていないはず。久しぶりに行ってみよう。楽しみ、楽しみ。
 そう思いながら店の前まで行ってみると、シャッターが半分閉まっている? これは、開いているのか? 閉まっているのか? 入り口のそばまで歩いて行くと、今日の分のスープが売り切れたので閉店と張り紙がしてあった。
 ぶぶー、残念でした。
 その日は諦めて、違うものをお腹に入れたのだけど、僕の体のどこかにある「無性に食べたくて仕方がなくなるスイッチ」がONになってしまったらしく、どうにも無性に食べたくて仕方なくなってしまった。一旦立ち上がったもっこすフラグを倒すには、食べるしかない。先だって食べたコロッケそばと同じだ。なので、用事のない休みの日の昼に、もっこすラーメン王子公園店に向かった。

 到着して店に入ろうとすると、お店の入り口に張り紙がしてある。まさか、またスープ売り切れ!? と身構えたが、午前11時に売り切れな訳はなく、値上げの案内だった。5月から値上げするんだってさ。高校生だった30年前からもっこすラーメンを食べている僕にしてみれば、もうすでにかなり値上がりしているけど、さらに上がるんだね。まあ、このご時世だから、仕方ないか。
 入店して券売機の前にたち、以前はあった「そばライぎょうざ」のお昼のセットがなくなっているのも、残念ではあるが、仕方がない(夕方~夜にはあるようだ)。で、同じセットを単品で組もうとすると1500円ぐらいになってしまい、それはさすがに僕のお財布事情にてらしてランチの限度を超えているので、中華そばの大盛で手を打つことにする。うーん、まあこれも、仕方がない。
 なんかなー、値上げ値上げって、そりゃあ仕方ないんだけど、あまり高くなると、気軽に楽しめなくなるよね。事情はね、分かりますよ。色々、ニュースも聞いてますしね。ただ、こちらにも限界がありますから、はいそうですか、という訳にもいかない。難しいところだ。
 そんな訳で、ちょっとモヤモヤしながら席に着いたのだけど、出してもらった中華そばは相変わらず美味で、満足して帰りました。

 しかし、ラーメン一杯が1000円を超えてくるっていうのは、やっぱりちょっと、考えちゃうなあ。それに見合うだけ、僕の収入も上がっているなら別に問題ないんだけど、ラーメンの値段がが30年前に比べて2倍近くになっていて、それに比例するほど収入は上がっていないよね。
 なんか・・・新しい商売でも始めるか? 慢性疲労症候群で、ブレインフォグの症状が強くてもできる商売、何かあるだろうか。ブレインフォグの頭で、よーく考えてみることにしよう。

コロッケそばが、無性に食べたい。

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「ママの"食いわずらい"!!にも困ったものだボン!!」
「コレが食べたいと頭に浮かんだものが口に入るまで破壊が続く・・・!!!」

 

ONE PIECE」 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス

 

 僕は食べたいモノが口にはいるまで破壊を繰り返したりはしないが、アレが無性に食べたい、という思いにとらわれることは時々あり、そういう気分って、そのアレを食べるまでおさまらない。
 時々、無性に食べたくなるモノって、いくつかあるけど、今回はコロッケそば。
 なんかねー、2月頃にふっと、「コロッケそば食いてえ」って気分になって、それがずっと続いている。別に、何か特別なコロッケそばが食べたいわけじゃなく、普通に立ち食いそばのコロッケそばが食べたいだけなので、いつでも食べにいけばいいのに、どういうわけか細々とした用事で忙しく、その暇がなかった。とかなんとかしているうちに四月になり、やっと少し余裕ができて、先だって三宮のヤマハに寄った時に、隣の「松屋」さんでわかめコロッケそばをようやく口にすることができた。

 「松屋」さんでコロッケそばを注文すると、コロッケをトッピングするか、それとも別皿で添えて出すかを尋ねられる。僕は、最初からトッピングしてもらう派。
 何かのネット記事で読んだのだけど、コロッケそばには色々な食べ方の流儀があるようだ。別皿で出してもらって、半分はソースや醤油でそのまま頂き、残りはダシに沈める派や、僕のように最初からダシに投入した状態で食べ始める派。最初からダシ派にも、様々な手順があるらしく、グズグズにくずしてコロッケスープにしたり、衣にダシを染みこませて崩れる直前に食べたりと、人それぞれなんだって。
 まあ、食べ方は各々が好きにすればいい。僕は、最初に一口かじって、ダシを少しずつ染みこませながら食べすすめ、しかし、グズグズになる前にコトを終えるのが流儀。今回は少し失敗して、最後の一口をスープに溶かしてしまった。悔しい。でも僕にとっては、物事が計画どおりにはこばないことも含めて、コロッケそばの魅力なので、それはそれでよし。食は自由だ。

 で、コロッケそばを口に入れることができたので、僕の無性に食べたいフラグは下がって、めでたしめでたし。
 この、無性に食べたいっていう気分、なんなんだろうね? 違う食べ物では代用がきかないっていうところが、面倒くさく、また面白くもある。僕が食べたくなるものは、このコロッケそばの他には、ラーメンだとか牛丼だとか、手軽なものばかりだけど、ワンピースのビッグ・マムみたいに、クロカンブッシュなんかが食べたくなったら大変だろうな。僕の舌が、安くて手軽な舌でよかったと、時々思う。うん。

「Autumn Leaves」、サイコウ。

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 アルトサックスを手に入れたので、黒本のEbから馴染みのある曲を拾って練習している。楽器を出して、まず基礎練習でウォームアップし、それから少し曲を吹く。まだ十分にカンが戻らないので、基礎練習が中心だけど、それだけじゃつまらないでしょ。だから、練習を終わる前に、ちょっとだけお楽しみタイムだ。で、ただ単にお楽しみで吹くだけではもったいないから、テナーやフルートのキーですでに覚えている曲も、アルトのキーで覚え直すことにしている。

 ジャズスタンダードにおける、基本中の基本、キホンのキ、その曲が何かとジャズメンに問えば、十中八九、「枯葉(Autumun Leaves)」と応えが返ってくるのではないだろうか。もちろん中には、「Dona Lee」だと宣う方もいれば、まずはブルースなんじゃない? と仰る方もいらっしゃるだろう。それはそれで構わない。考えは人それぞれだ。ただ、ブルースはちょっと特別だとして、それとは別に何かひとつ、と言われたら、やっぱり枯葉なんじゃないかな。

 黒本だと実調で、GマイナーとBbメジャー(in Ebでは、E-とG)を往復するだけのシンプルな曲だけど、アドリブの色々な手法を試せるので、なかなか奥深い。特に、平行調だから同じダイアトニックをもっているわけだけど、「メジャーではこのスケールが使えるけど、同じことをマイナーでやるとフィットしない」とか、その逆パターンの実験が効率的にできる。僕は個人的に、アボイドノート(あるコード上で回避するべき音)を覚えるのにちょうどいいな、と思っている。アボイドノートって、頭で覚えていてもなかなかピンとこないものだが、実際に鳴らしてみると「コードにフィットしない」「流れにあわない」っていうのが実感できる。また反対に、「ダイアトニックではアボイドだけど、この文脈で経過的に使うのはアリ」みたいなのも体と耳で覚えられる気がする。
 ジャズを学ぶ者の世界では「枯葉1000回」などと言われる「Autumun Leaves」、まったく、最高の教材といえるだろう。

 で、曲としては大変いじりがいのある枯葉なのだけど、歌の内容は、実に切ない。夏が過ぎて秋となり、冷めていく季節とともに恋の炎も消えていく、失恋の歌だ。
 だから、あまり突拍子もないモダンなアドリブを超アップテンポでかますよりは、ゆったりめのスイングやバラードで、訥々と語るのが本当はいいんじゃないかな。ジェレミー・スタイグみたいなプレイも嫌いじゃないけど、僕の感覚では、あれは早すぎる。フッた相手に対する怒りの台風が吹き荒れている感じ。もちろん名演だし、すごい演奏だとは思う。でもなー、冷たい秋風がぴゅーっと首元を通り過ぎていく寂しさを歌いたいよね、この歌は。個人的には、「Somethin' Else」のマイルスのアドリブが好きだ。怒りや苛立ちを通り過ぎた後の諦めのような、切なさがいい。
 トレーニング教材としてはともかく、人前でプレイする時には、何を表現するべきかよく考え直してみたいものだ。

 ところで、バラードって難しいよね。あのゆったりした流れの中で、何を吹けばいいのか、全然つかめない。ジャズ、またちゃんと勉強したいなあ。いいお教室があったら、誰か教えて下さい。