笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

もう一度、吹奏楽。


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 原因不明の体調不良が漢方薬のおかげで少し楽になってきたので、リハビリを兼ねて、また中学生に音楽を教えにいくことに決めた。
 去年、明石大橋に近い中学校にお邪魔した時と同じように、人材センターに登録をした。去年は紙ベースの履歴書を窓口に直接出しに行ったけれど、今年はそれを全部ネット上でできるようになっている。必要事項を記入して送信し、「送信後にお電話ください」と指示された番号をコールした。
 電話口に出た採用担当の職員に「去年も吹奏楽の指導支援をやっていました」と話すと、「では北区の学校に行ってもらえませんか?」とその電話ですぐに勤務先を案内されて驚いた。年度途中だし、さすがにすぐには勤務先も見つからないだろうと思っていたからだ。北区か・・・うーん、どうしようかな。

 神戸のチベット、北区。
 神戸市北区は、冷涼な気候が特色の、自然豊かなエリアだ。六甲山南麓と北麓では、気温差が三度程度ある。もちろん、北区は北側で、気温が低い。厳寒期には、最低気温が氷点下、最高気温も一桁中盤。もちろん、積雪もある。最近は少なめだけど。
 勤務先の候補にあがった中学校は、北区の中でも南側の方で、通勤の距離と時間はむしろ、去年お邪魔していた中学校より短い。だから通勤の都合だけで言えば、ためらう理由はあまりない。じゃあどうして迷っているかというと、その寒さのせいだ。
 正直ね、真冬の中学校で管楽器を吹くのは、つらいのですよ。
 なにが辛いかと言えば、指がつらい。凍えて動かなくなった指で木管楽器を演奏するのは、もはや拷問だ。特に、リングキィのフルートを吹く僕にとっては、無理ゲーもいいところである。それに、この一年間でかなり筋肉量の落ちたであろう僕は、寒さに対する耐性も落ちていて、今年はこの冬の寒さがやけに骨身にこたえる。
 そういう訳で迷った。迷ったけど、でも、せっかくすぐに勤務できる場所を紹介してもらったし、北区の北の端に行けということでもなかったので、お受けすることにした。

 電話の翌日、さっそくその中学校に行った。学校を訪れたらまず、校長先生とご挨拶。初めての来校日だったので僕はスーツを着ていったのだけど、校長先生は話の最後に「北区は寒いので、次からはもうちょっと楽で、暖かい服装でいらしてくださいね」と仰った。北区、確かに寒い。もちろん冬用のスーツを着て行ったけど、ズボンの裾からあがってくる冷気がすさまじい。
 ご挨拶の後、吹奏楽の活動の様子も見た。音楽室が土足禁止で、靴を脱いで入るのだけど、床が氷のようだった。中学生は平気で靴下で歩いている・・・大丈夫なのだろうか。僕はシモヤケになりそう。で、顧問の先生と子どもたちに挨拶をし、その日も少し指導のお手伝いをして帰った。
 帰り道、ユニクロに寄ってヒートテックを買いました。

 北区の真冬の中学校、恐ろしい寒さだ。一応暖房ははいっているのだけど、コロナ対策のために常に窓が開いていて、そこから刃物のように冷たい風がびゅうびゅう吹き込んでくる。ヒートテックを着て、その上に今年新調したモンベルのフリースを着て、なんとかしのいでいるけど、いやいや、厳しい。高保温タイプのクリマエアでないと、北区の寒さはしのげず、クリマプラス100を着ていった日は、凍えた。
 フリースの上にもう一枚何か羽織れば寒さはしのげるのだろうが、中学生がジャージで頑張っている手前、僕がダウンなんかでもこもこしている訳にはいかないし、それにあまり厚着すると、楽器が吹きにくい。特にサックスを吹く時は、ネックストラップを使うので、首回りをすっきりさせておかないと息苦しい。
 どうしようかと考え、去年お邪魔していた中学校の生徒さんがカイロを持っていたのを思い出して、フリースの内ポケットにカイロをいれておけばいいんじゃないかと気づいた。さっそく薬局に駆け込んでカイロを買い、服の中に忍ばせてみると、なかなかいい感じ。よし、これでしのごう。

 久しぶりに外に出て仕事のようなことをして、体調はどうかというと、うーん、良くも悪くもないかな。その中学校に数日通うと、また体重が落ち始めた。倦怠感はまだ感じないが、これ以上痩せたらまた辛くなるかもしれない。一日にたった二時間しか働いてないんだけどなあ。しかし毎日行くわけでもないし、しばらく続けてみよう。どうせ今のまま毎日毎日ダラダラし続けているわけにもいかないのだ。リハビリしなきゃ。