笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

コメダ珈琲


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 コメダ珈琲が好きだ。ファスト風土的気軽さをそなえながらも、昔気質な喫茶店の空気も残っている。コーヒーの味は好みの部類に入る。サンドやデザートもおいしい。僕だけじゃなく、僕の家族はみんなコメダ珈琲が好きだ。息子はブーツ型のグラスにはいったクリームソーダを愛飲しているし、妻はいつもシロノワールを注文する。僕は、いつもはホットのブラックコーヒーしか飲まないのだけど、コメダにくるとなぜか予めシロップを加えられたアイスコーヒーが飲みたくなる。その、「アイコー」とでも呼びたくなるような昭和な味わいがいい。素敵だ。

 僕が初めてコメダ珈琲に入ったのは、ちょっとうろ覚えだし確証もないのだけど、多分2002年、僕が大学生の時だ。400ccのバイクに乗ってツーリングしていて、名古屋で一泊し、その後伊勢方面へ向かおうと国道を走り始めた朝、二度目の朝食をとるために入ったあの店、確かコメダ珈琲だったように思う。
 名古屋といえば喫茶店、そして名古屋の喫茶店と言えばモーニング、で、名古屋の喫茶店のモーニングと言えば小倉トースト。その朝、小倉トーストを食べたかどうかは覚えていない。けど、国道沿いのファスト風土的喫茶店なのに、どこか昭和な香りを感じて「なんか名古屋っぽい」と妙に関心したのだっけ。
 そのコメダが、今では全国展開している。僕の中ではもはやモスバーガー松屋と同列だ。昭和感ただよわせながらも、チェーン店の気軽さがあって入りやすいのがうけるのだろう。ファーストフードのジャンキーさや他人行儀さは敬遠したいが、ローカル密着の個人経営の喫茶店は入りにくい・・・そういう層がコメダを選ぶ。つまり、ちょうどいいってことだ。

 どこで読んだか忘れたのだけど、何かの本で著者が「近頃の学生はゼロかイチしかない。例えば何かを評価するときに、すごくいいか、全然ダメかだけで、その中間がない」と書いていた。コメダはゼロとイチの中間に位置する喫茶店だろう。あー確かに、お客に若者は少ないかもしれない。
 でもね、こういうパラメータの両端に振り切れてない穏やかさっていうのは、もっと受け入れられてもいいと僕は思う。だってその方が面白いじゃん。ゆで卵だって、生とハードボイルドの中間の、半熟ぐらいがおいしいでしょ? そういうことだよ。

 コメダ珈琲は半熟ゆで卵。とろりととけた黄身がステキ。固ゆでも好きだけどね。