笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ゼブラ F-701


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 文具、特にペンの話題が続く。理由は単純で、コロナと体調不良のせいで出かけられないからだ。ブログを書くのは、作文のリハビリも兼ねている。近頃は少し、言葉の出入りがスムーズになってきたように思う。早く出かけられるようになりたいが、今は仕方がない。

 さて、ゼブラのF-701だ。
 手帳にさしておくペンを探していたときに、僕はよくペンをぶつけたり落としたりするので、「ボールペン 頑丈」で検索をかけたらヒットしたのがこのF-701。なんだか戦闘機めいた名称のボールペンだが、実際、「タクティカルペン」とみなされているらしい。タクティカル=戦術、つまり、白兵戦の武器として用いるペンということだ。

 いやいや、ペンで人を傷つけてはいけません。

 このボールペンが実際にナイフや手裏剣の代わりになるのかどうかは分からないが、ああなるほど、頑丈そうな金属軸はたしかに、ちょっとした武器になるかもしれない。もちろん僕は武器として使用するわけではないので、実際のところは何とも言えないけど。
 このノック式の油性ボールペン、タフな見た目とは裏腹に、ノック音は実にジェントルだ。パーカー・ジョッターの方がよほど威勢がいい。サイレンサーがついているのかもしれない。そう言う意味では、アサシン・ペンとも言えるだろうか。音に気を遣う場所に持ち出すには最適だろう。もちろん静粛性において回転式にはかなわないけど、これぐらいのサイズの金属製ノック式ボールペンの中では一番静かな方だ。音量もそうだが、音質が穏やかで柔らかい。とても上品だと思う。
 ひとのブログを読んでいると、書き味の評判はあまりよくないみたい。しかし僕はそう悪くないと感じた。素晴らしいと褒めるほどでもないけど、いわゆる油性ボールペンって、こんなもんじゃない? むしろ、ペンに適度な重さがあるので、ペンの重量を紙にのせるようにして書くと、楽にペン先が走る。

 以前は、殴り書きメモ帳に使っているシステム手帳に差していた。その手帳には今、先だって実家から掘り出してきたノック式のパーカーを差している。F-701は、鞄の内ポケットに差しっぱなしのボールペンに配置換えとなった。近頃は、サインひとつするためにも他人のペンに触れるのをためらわねばならない。嫌な世の中になったとは思うけど、カードで買い物をしたり、何かの修理伝票に名前を書いたりするのに、自分のペンが一本あると安心である。F-701の出番は少なくない。
 F-701は、僕の健康と安心のために戦っている。誰かを傷つけるために戦うのではなく、僕を守るために戦っている。