笛吹きもぐらは旅をする

笛吹きの、慢性疲労症候群の療養日記。

ミニ四駆


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「おっさん! 本当は飛ぶんだぜコレ・・・知ってんだろ? 知ってんなら帰ってきなよ こっち側によ」

 

「キリン」 東本昌平 ヤングコミック

 

 息子に「誕生日に何が欲しい?」と尋ねたら、ミニ四駆が欲しいと応えた。
 近所にイオンモールがあって、よく買い物に行くのだけど、その建物の一角にミニ四駆のコースが設置されている。テナントで入っている電気屋が設置しているようだ。しばらくコロナの影響で使えなかったけど、夏休みに入った頃からふたたび利用が可能になった。今年の夏は、東京にある妻の実家への帰省が難しいので、息子は無改造のアバンテJr.をもって、毎日のようにコースへ出かけている。
 コースには、色々な年代のミニ四・レーサーが集まっている。僕と同じくらいの年齢の子どももいる。僕が小学生の頃、ミニ四駆はブームのど真ん中だった。僕も熱中したクチだ。ブーメランJr.とバーニングサンが愛機だった。もっとも当時は、近くにコースを設置しているような場所なんてなくて、空き地で草レースだったけど。僕はもうとっくに現役レーサーじゃないが、またやってみたいという気持ちをなんとかいなしているところだ。走り始めたら、息子と一緒になって熱中して、どっちの遊びなんだか分からないと妻に叱られそうな気がする。
 サーキットは静かな場所だ。レーサーはみんな礼儀正しい。互いのトレーニングとチューニングの邪魔にならないように、間合いとタイミングをはかりながらコースを利用している。自分のマシン以外には手を触れないし、コースは清潔に保たれている。誰かのマシンがクラッシュして自分の方に飛んできたら、やさしくバンパーをつまみ上げ、そっと相手に手渡す。実に、気持ちいい。
 うちの子どもは、まだその辺の暗黙のルールとかマナーがよく分からなくて、たまに無礼も働くけれど、近頃は少しずつ、レーサーはいかなるべきかという姿勢を学びつつあるように思う。そして、年配の子どもたちは、僕の息子の不作法を優しく見逃してくれている。
 こういう遊び場所が、もっとあるといいのにな。大きな子どもも小さな子どもも一緒に夢中になって遊べる場所があれば、教育ってやつはもっとうまくいく気がする。ミニ四駆は文化だ。田宮模型はすばらしいものを作った。これからもずっと作り続けて欲しい。


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